2012年9月29日土曜日

森を歩くかのごとく、アートを見る

昨年11月にオープンした軽井沢千住博美術館へ。

一歩入ると、空間の美しさに息を呑む。
最初に目に入るのは、すっと立つ白い壁に掛かった、大きなウォーターフォールの絵。
曲線的なガラスの壁に囲まれたフロアを進んでいくと、まるで木々の間を覗き見るように、展示作品が不規則に現れる。
地形に合わせてなだらかに傾斜した床は、鑑賞というより、散策という言葉が似合う。

実際、建物の中にも森が存在する。
いくつかの吹き抜けスペースに配さたカラーリーフガーデンは、自然界に存在する微妙な色のグラデーションを見せてくれる。
丁度降っていた雨がその箱庭の木々の葉に注ぎ、一層生き生きと見えた。

ブラックライトに照らされた「ナイトフォール」の展示室も必見。
オランジェリー美術館のモネの展示室を連想させる空間。
霧のような水しぶきが今にもかかってきそうな、静かな臨場感に圧倒される。

SANAAの西沢立衛氏が設計した空間と、千住氏の作品が一緒になり、全体で新たなアートエンターテイメントとなっている。素晴らしい。