2017年5月27日土曜日

ナショナル・ギャラリー・シンガポール

2006年に最初のビエンナーレを開催して以来、シンガポールは金融やビジネスにおける位置づけと同様、アートにおいてもアジアでの存在感を高めようとしてきた。2012年には現代アートギャラリーの複合施設「ギルマン・バラックス」もできたり、それなりに話題も提供してきた。

そんな中で、シンガポールの近現代美術を俯瞰で見られる美術館ができたのは、自然な流れだったろう。

2015年11月にオープンした「ナショナル・ギャラリー・シンガポール」は、シンガポールと東南アジア美術のパブリックコレクションとしては最大の8000作品以上を保有する美術館。以前の最高裁と市庁舎の建物をつなげて内部をリノベートし、クラシカルさを残しつつ、明るい外光が天窓から吹き抜けに差し込む現代的なスペースに生まれ変わった。


館内はシティホールウィングとコートウィングとに分 かれ、複数の企画展が開催されているが、全て見る時間がなければ、まずメインのDBS Sinrapore Galleryへ。オープン時からの長期企画として、19世紀以降のシンガポール美術を展示している。400点近い作品が時系列で展示され、イギリス統治下のシンガポールで、アートが海外から受けた影響とともに、シンガポールの変遷を追う。


雨が降っていなければ、屋上のルーフガーデン・ギャラリーへ。2016年11月から、ベトナム生まれのデンマーク人アーティストDanh Vo (ヤン・ヴォー)のコミッションワークを展示している(8月まで)。


建物も内容も、シンガポールらしい良さが出ている美術館だと思う。