2017年5月27日土曜日

FUTURE WORLD @ アートサイエンス・ミュージアム

シンガポールのマリーナベイ・サンズにあるArtScience Museum。ひときわ目を引くハスの花の形をした建物が、本物の蓮の池に囲まれている。外から見るとどんな構造になっているのか想像がつかないが、中に入ると意外と展示スペースは広い。

ここで見るべきは、2016年3月から常設展示されている、チームラボの「FUTURE WORLD  Where Art Meets Science」。

チームラボの作品は最近、東京の森美術館の「宇宙と芸術展」でも、ハワイのホノルル・ビエンナーレでも見る機会があったが、ここは広いスペースを「ネイチャー」、「タウン」、「パーク」、「スペース」の4コーナーに分けての集大成的な展示。

「ネイチャー」コーナーの最初の暗室に入ると、扉が閉められ、壁、床、天井全面を使って映像が投影される。映像は目まぐるしく回り、重力を忘れ、その空間を自分が飛び回っているような感覚になる。



例えは極めて古いが、昔の遊園地で「ビックリハウス」というアトラクションがあった。小さな家の中の椅子に座ると周りの壁が上下にぐるぐる回転し、自分が家の中で回っているような感覚になるという、今考えると笑っちゃうくらいアナログな仕掛けだが、子供にとっては楽しかった。それが進化を遂げた、21世紀のデジタル版だと思った。それも子供だけではなく、大人も楽しめる映像美があるところが、最大の進化。

続く「タウン」と「パーク」は、家族連れで楽しめるコーナー。自分で描いた絵をスキャナーにかけると大きなスクリーンに出てきたり(これはホノルル・ビエンナーレにもあった)、子供が自ら参加してアートとデジタルに興味を持てるようになっている。

カラフルで大きなボールは、いつも色を変えながら光っていて、床にあるボールを手で押して転がすと「ころころ」と声を出して歌う。それも日本語で!(これは、日本人としては是非試して頂きたい。)

そして最後のコーナー「スペース」の作品は「クリスタル・ユニヴァース」。タイトルの通り、光輝くクリスタルの空間を歩く、ファンタジックな体験。

大人も遊べるデジタルアート遊園地のような楽しい展示だった。

ナショナル・ギャラリー・シンガポール

2006年に最初のビエンナーレを開催して以来、シンガポールは金融やビジネスにおける位置づけと同様、アートにおいてもアジアでの存在感を高めようとしてきた。2012年には現代アートギャラリーの複合施設「ギルマン・バラックス」もできたり、それなりに話題も提供してきた。

そんな中で、シンガポールの近現代美術を俯瞰で見られる美術館ができたのは、自然な流れだったろう。

2015年11月にオープンした「ナショナル・ギャラリー・シンガポール」は、シンガポールと東南アジア美術のパブリックコレクションとしては最大の8000作品以上を保有する美術館。以前の最高裁と市庁舎の建物をつなげて内部をリノベートし、クラシカルさを残しつつ、明るい外光が天窓から吹き抜けに差し込む現代的なスペースに生まれ変わった。


館内はシティホールウィングとコートウィングとに分 かれ、複数の企画展が開催されているが、全て見る時間がなければ、まずメインのDBS Sinrapore Galleryへ。オープン時からの長期企画として、19世紀以降のシンガポール美術を展示している。400点近い作品が時系列で展示され、イギリス統治下のシンガポールで、アートが海外から受けた影響とともに、シンガポールの変遷を追う。


雨が降っていなければ、屋上のルーフガーデン・ギャラリーへ。2016年11月から、ベトナム生まれのデンマーク人アーティストDanh Vo (ヤン・ヴォー)のコミッションワークを展示している(8月まで)。


建物も内容も、シンガポールらしい良さが出ている美術館だと思う。


2017年5月5日金曜日

南インドのビーチリゾート Niraamaya Surya Samudra

インド最南端に近いトリヴァンドラム(最近の正式名称はティルヴァナンタプラム)には、ビーチリゾートと、アーユルヴェーダ・リトリートが数多くある。

Niraamaya Surya Samudraまでは空港から約30分。黒と黄色のトゥクトゥクがたくさん走る市街地を抜けていく。


リゾートは南国のジャングルを背景に、アラビア海に面した斜面に建つ。敷地内は緑にあふれ、南インドの自然を満喫できる。


石段を下りていくとプライベートビーチもあるが、波はかなり高めで、泳ぐのはちょっと無謀な感じ(誰も泳いでなかったし)。ビーチでただのんびり過ごすのが正解。ビーチには時々、牛もさらっと遊びに来るのが、さすがインドだと思う。

Niraamayaにはインドのベストスパに選ばれた大きなスパがある。ドクターが常駐し、本格的なアーユルヴェーダトリートメントが受けられる。


正統派の木のベッド。(硬いのが苦手な人は、希望すれば柔らかいマットを引いてくれる。)西洋式と違い、男性には男性が、女性には女性が施術をするのが決まり。

トリートメントが終わると、黄色い粉を額につけてくれた。


南インドは、忙しく観光するより、ゆっくりリチャージしに来るのに向いている。食事やマッサージやヨガで、とことん体にいい滞在をしようと思えば、そうできる。自分に合ったリトリートを見つけて、リピートするのも悪くないと思う。