2017年2月6日月曜日

ガラスの森 朝と夜?

銀座通りのほぼ両端で開催されている、ガラスと光をテーマにした二つのアート展が、朝と夜の対比のようでもあるのが面白い。



一つは、資生堂ギャラリーで開催中の「吉岡徳仁 スペクトル」展。平日でも朝11時のオープンとともに人が次々に入る人気の高さ。

ギャラリー内には霧が薄くかかり、奥にはガラスのプリズムが壁面にダイヤモンドのように並んでいる。そのプリズムに反射した光が、虹色の模様をフロア中に映し出している。

ガラスのベンチが二つ置かれただけのフロアで、朝もやに煙る、柔らかい日の光が差し始めたガラスの森のような空間を体験する。




資生堂ギャラリーを出て、そのまま京橋方面にまっすぐ歩いていくと、ポーラ ミュージアム アネックスがある。「あなたに続く森 青木美歌 展」を開催中。

こちらは、菌類や細胞をモチーフにしたガラスのオブジェと、その中にとどまる光が鑑賞の対象。




こちらは対照的に、月明りに照らされたガラスの森のようだと思った。


2017年2月5日日曜日

「クインテットⅢ 五つ星の作家たち」展

新宿の損保ジャパン日本興亜美術館(長い!)で開催中の「クインテットⅢ 五つ星の作家たち」展を見た。

40代の女性アーティスト5人の新作・近作を集めた合同展。「自然」をテーマに、描き方も作風もそれぞれだが、統一感ある秩序と、色彩の美しさが印象的な展示。

蜜蝋を使って赤を描き続ける川城夏未氏。作品が並んだ様はどことなくロスコっぽいが、近づいてみると様々なストーリーが描かれている。川城氏は赤にこだわっているのかと思ったら、こだわっているのは蜜蝋のほうで、相性が最も良かったのが赤だったということらしい。



江戸川の濁った水も、こんな素敵な色に変身!橋本トモコ氏の作品。こういう江戸川なら眺めていたいと思う。



木村佳代子氏の絵は一見、メイプルソープを連想させるが、落ち着いたトーンの背景に華やかに浮かび上がる花にはリアルな質感とファンタジーがあり、女性らしい「花の肖像画」だと思った。


あと二人は、パレスホテル東京にも作品がある横溝美由紀氏と、森に住みその木々を描いた堀由樹子氏。心地よい展示だった。