最近「ホテルアートツアー」にはまっている。
作品の質、数ともに優れたアートコレクションを持つホテルは少なくないが、インテリアの一部としてさりげなく展示されているため、興味がなければ素通りしてしまうかもしれない。しかし時にホテルは、美術館以上に充実したアート鑑賞ができる場所となり得るのだ。
先日マニラで滞在したラッフルズ・マカティもそんなホテルだった。約1600点のアートコレクションは、全てホテルがローカルアーティストに依頼したコミッションワーク。地元のアート産業振興のためもある。
ロビーラウンジ、レストラン、廊下など、ホテルのあらゆるパブリックスペースにインパクトあるアートが飾られている。それらを見るだけでも楽しいが、ここはアートコンシェルジュのツアーをお願いしたほうがいい。
ツアーをお願いするメリットは、作品の背景を聞けることと、ホテルによっては、勝手に入れない場所にアクセスできることもある。
ラッフルズ・マカティは、ホテル棟に隣接してレジデンス棟がある。ホテル宿泊者は普段はレジデンスの建物には入れないが、今回はレジデンス棟のアートも案内頂いた。
レジデンスのアートはフロアごとにテーマがあり、どれもフィリピンのローカルカルチャーを感じられるものばかりだった。
あるフロアのテーマは「籠」。昔からフィリピンの日常に欠かせなかったアイテムをフィーチャーすることで、人々の生活や文化を想像させる。
フィリピンの名所建築にフォーカスしたフロアもある。マラカニアン宮殿の絵の前では、スペイン植民地時代から建つ宮殿が、アメリカ植民地時代を経てフィリピン大統領府となるまでの歴史も簡単に説明してくれる。
他にも、南国っぽさ溢れる鮮やかな色彩で、植物で編んだキャンバスに日常の風景を描いた絵が並ぶフロアもあった。
マニラでは毎年春にアートフェアが開催され、規模も年々拡大していると聞く。今年は初めてのビエンナーレも開催された。しかしそれらのイベント期間を除いては、市内でビジターがコンテンポラリーアートを堪能できる場所は少ないと感じる。ラッフルズのアートコンシェルジュも、フィリピンの現代アートを盛り上げる必要性を説いていた。だからこそこのホテルは、今のローカルアーティストたちの作品の一端に確実に触れることができる貴重な場所であり、また、作品が「ローカルカルチャー」という切り口で制作され、キュレーションされていることで、海外からのゲストにフィリピンの歴史や文化に目を向けるきっかけを与えている。
このホテルに泊まったことが、マニラのアート体験の質を高めてくれた。
作品の質、数ともに優れたアートコレクションを持つホテルは少なくないが、インテリアの一部としてさりげなく展示されているため、興味がなければ素通りしてしまうかもしれない。しかし時にホテルは、美術館以上に充実したアート鑑賞ができる場所となり得るのだ。
先日マニラで滞在したラッフルズ・マカティもそんなホテルだった。約1600点のアートコレクションは、全てホテルがローカルアーティストに依頼したコミッションワーク。地元のアート産業振興のためもある。
ロビー階エレベーター前の絵画にはラッフルズのロゴが。 |
ツアーをお願いするメリットは、作品の背景を聞けることと、ホテルによっては、勝手に入れない場所にアクセスできることもある。
ラッフルズ・マカティは、ホテル棟に隣接してレジデンス棟がある。ホテル宿泊者は普段はレジデンスの建物には入れないが、今回はレジデンス棟のアートも案内頂いた。
レジデンスのアートはフロアごとにテーマがあり、どれもフィリピンのローカルカルチャーを感じられるものばかりだった。
あるフロアのテーマは「籠」。昔からフィリピンの日常に欠かせなかったアイテムをフィーチャーすることで、人々の生活や文化を想像させる。
フィリピンの名所建築にフォーカスしたフロアもある。マラカニアン宮殿の絵の前では、スペイン植民地時代から建つ宮殿が、アメリカ植民地時代を経てフィリピン大統領府となるまでの歴史も簡単に説明してくれる。
マラカニアン宮殿 |
マニラでは毎年春にアートフェアが開催され、規模も年々拡大していると聞く。今年は初めてのビエンナーレも開催された。しかしそれらのイベント期間を除いては、市内でビジターがコンテンポラリーアートを堪能できる場所は少ないと感じる。ラッフルズのアートコンシェルジュも、フィリピンの現代アートを盛り上げる必要性を説いていた。だからこそこのホテルは、今のローカルアーティストたちの作品の一端に確実に触れることができる貴重な場所であり、また、作品が「ローカルカルチャー」という切り口で制作され、キュレーションされていることで、海外からのゲストにフィリピンの歴史や文化に目を向けるきっかけを与えている。
このホテルに泊まったことが、マニラのアート体験の質を高めてくれた。