2022年11月3日木曜日

サント・シャペルのステンドグラス

パリ・シテ島のサント・シャペルには、世界一美しいとも言われるステンドグラスがある。

サント・シャペルは裁判所の敷地内にあり、外から見ると目立たないが、観光客の列ができているのですぐわかる(予約制だけどやはり待つ)。

建物に入ると、あれ?思ったより地味?と思うかもしれない。でもメインは上層礼拝堂。狭い螺旋階段を上っていく。

上層は、まばゆく素晴らしいステンドグラスに囲まれた空間。



13世紀半ばに建てられたサント・シャペルは、フランスゴシック建築の中でも大規模を追求したそれまでのスタイルとは違う、空間の調和や洗練された装飾を重視したレヨナン式というスタイル。大きなバラ窓があり、全体に窓面積が大きいのが特徴で、たくさんの外光が入る。

ステンドグラス以外の装飾も、例えば柱の柄がひとつひとつ違ったり、見れば見るほど繊細。


行ったときは、アメリカの舞台監督ロバート・ウィルソンの音楽インスタレーションが空間を演出していた。実はサント・シャペルはフランス革命の後に世俗化され、今は教会ではない。だからある程度自由な試みができるのかもしれない。

サント・シャペルに行く際は、上ばかり見ていると床の素敵な装飾を見落としがちなので、それもお忘れなく。



2022年11月2日水曜日

パリのパラスでアート三昧!

パリ8区、凱旋門の近くにあるル・ロイヤル・モンソー・ラッフルズ・パリ(Le Royal Monceau, Raffles Paris)は、5つ星ホテルの中でも最高級を意味する「パラス」の称号を与えられたホテルのひとつ。更にここにはラグジュアリーだけではないアイデンティティがある。それはアート。


特色は「アート・コンシェルジュ」の存在。宿泊ゲストにお勧めの展覧会やギャラリーの情報はもちろん、ホテル内のアートツアーも提供している。ここに宿泊するなら、是非このアートツアーを体験することをお勧めする。



2010年の改装時に内装を担当したフィリップ・スタルクは、鏡を多用してコンテンポラリーさを打ち出した館内に、大小様々なアート作品をちりばめた。それらはココ・シャネル、ピカソ、ジャン・コクトーといった面々とホテルとのつながりを語るものから、蚤の市で見つけてきた来歴が不明なものまで実に幅広く、パブリックスペースだけでなく客室内(バスルームも含めて)でも存在感を発揮する。


約1時間のアートツアーでは、聞かなければ気づかなかったであろう内装やアートのディテールや、ホテルの歴史的なエピソードを説明してくれる。例えば、普段だったら一瞬で通り過ぎてしまうであろうレストランの入り口の壁。アート・コンシェルジュに促されて近づいて見ると、小さな貝が敷き詰められた細工の美しさに気づく。ツアーで理解を深めた後は、ホテル内の色々な部分に目が行くようになり、ホテルで過ごす時間が一層面白くなる。


アート・コンシェルジュが常駐しているのはアート・ライブラリ。限定版のアートブックや、小さなアートオブジェの数々を販売しているお洒落なスペース。ここもストーリーにあふれたものが満載で、長居してしまいそう。

パブリックスペースのアートは定期的に展示替えされるので、行くたびに違う発見があるはず。パリではミュージアムだけではないアートの楽しみ方を。