2013年7月29日月曜日

ハワイ島のエネルギー

毎年来ることにしているハワイ島。

10年くらい前から、ハワイ島西海岸のビーチはほぼすべて試し、水の透明度、入りやすさ、魚やサンゴの数、雰囲気、砂の質などを、シュノーケリングにふさわしいかどうかの観点で勝手に評価してデータベース化していた。ここ数年は、その中でもいつも期待を裏切らなかった2、3のビーチに絞って行っている。

年1回だけ泳ぐ同じ海には、毎年微妙な変化を感じる。去年はダントツで透明度一位だったビーチが、今年はそうでもなかったり、またその逆もある。

例えば、マウナ・ラニ・リゾートの近くにある、ダイビングスポットとしても人気のビーチは、近くには民家や教会と雑貨店が一軒あるだけのローカルな場所で、混み合うことはない。いつも潮の高さが適切な時に行けばいつでもクリアな海とたくさんの魚が見られるが、今年は気のせいか、水の透明度が低いような気がする(といっても勿論、そこらの海とは比較にならないほどのきれいさではあるけれど)。今年は新しい高級分譲リゾート地が売りに出ており、他に大きな別荘も建築中だったことも影響しているのかもしれない。

かといって、開発が悪いかというと一概にも言えず、開発されきったはずのマウナ・ラニ・リゾート内のビーチは今年とてもいい状態だった。以前は、「リゾート内の海なんて荒らされてるし」と決めつけ、あまり真剣に泳いでいなかったが、これが実は一番きれいでびっくり。開発がひと段落して何年か経ち、その間自然への適切な配慮がされていると、サンゴも成長し魚も定着するのだろう。リゾート内なので「誰もいないビーチ」を望む人には向かないが、それでも少し沖に出れば人もまばらでのんびり泳げる。少なくともハワイ島で人気のシュノーケリングスポットKahaluu Beach Parkのような「魚も人もぎっしり感」はない。

ふと、「自然」ってなんだろう、と思う。

部屋からはゴルフコースの緑と、風にそよぐヤシの木、そしてその向こうにマウナケア山が見える。ハワイ島のリゾートはほとんどが、溶岩の大地を開発して草木を植え、ホテルやゴルフ場を作った「人工物」なので、自然のままなのはほぼ海だけということになる。今見ているヤシの木も、後から植えられたもの。でもその風景はハワイ島の自然に美しく溶け込んでいて、眺めているだけでとても穏やかな気持ちにしてくれるのだから、人間が自然の恩恵を受けるのに寄与した開発と言えると思う。ここにいると様々な鳥たちの声や、部屋のテラスでよく見かける、自然にこんな色が存在するんだと驚くくらい鮮やかなグリーンのゲッコーや、真っ暗な夜を明るく照らす月などが、普段は意識しない地球のリズムを思い出させてくれる。

ハワイ島はいいエネルギーを持つ土地であることは間違いないと思っているし、それが人を自然に近い状態にリセットしてくれるのだと思う。私にとっては、都会で受けるどんなスパプログラムより断然リラックス効果は高い。だから毎年飽きずに通ってしまう。