2015年1月30日金曜日

1日で廻るアンコール遺跡

初めてカンボジアに行くなら、アンコール遺跡は外せない。
遺跡群は2日以上かけてじっくり廻る人が多いが、時間がなければ1日でもハイライトはカバーできる(写真付きの1日パスは20 USドル)。

効率よく廻るためにはガイドさんを雇ったほうがよく、また、冬でも午後の日差しは強くて参ってしまうので、トゥクトゥクではなく車で廻ったほうがいい。

まずアンコール・トムへ。

12世紀後半、クメール王朝で最も力があったとされるジャヤーヴァルマン7世王が建設した城壁都市。その中心に位置するのがバイヨン寺院。チャンパ王国(ベトナム)との戦いで荒廃した国を立て直すため、仏教に帰依した王が、大乗仏教の寺院として建てたバイヨン。しかし王の死後、再び勢力を得たヒンズー教徒などによって改修され、複数の宗教のモチーフが混在している。


神秘的な笑みを浮かべた大きな顔の石像が並ぶ様が特徴的。

次はタ・プロームへ。

タ・プロームはジャヤーヴァルマン7世が自身の母親のために建てた寺院。今では映画「トゥーム・レイダー」のロケ地としてのほうが知られているかもしれない。ガジュマルの木が崩れた石の建物を乗っ取り、そこから養分を吸い取るかのように生い茂っている。寺院と言うより、もはや廃墟かジャングルといった様相。

結構不気味な場所のはずだけど、にぎやかに記念写真撮影に余念がない中国からの観光客団体がそのミステリアスさをぶち壊してくれていたのが、かえって救いだったかも。

そしていよいよアンコール・ワットへ。

東門方向から見たアンコール・ワット

お昼過ぎから午後早い時間が比較的すいていて、正門ではなく東門から入ると更に静かに散策できる。

内戦時代には兵士が銃撃訓練的に使っていたこともあるらしく、壁には銃弾の跡も残っていたりるが、バイヨンと比べて全体的に保存状態は良く、その建築美と細かなレリーフを鑑賞できる。


12世紀前半にヒンズー教寺院として建てられ、その後仏教寺院に改修された。残っているヴィシュヌ神の像も今では仏教のオレンジの袈裟をまとい、前には「仏様へのお布施」と書かれた募金箱が置かれていた。ガイドさんによると、地元の人も多くがブッダだと思い込んでいるらしい。
アンコールワットは正面から見ると、カンボジアの国旗に描かれた通り3つの塔しか見えないが、実際は5つ残っているのが中央祠堂の前の池から見える(ここは人気の撮影スポット)。



また、首都プノンペンに滞在するなら、国立博物館も行っておきたい。アンコール遺跡で発掘された保存状態のいい石像の多くはここにある。晴れてすいていた朝の時間帯は、中庭からの自然光が差し込み、心が休まる空間だった。

プノンペンの国立博物館






2015年1月27日火曜日

カンボジアの古民家ステイ Sala Lodges

アンコール遺跡の街、シェムリアップには、インターナショナルブランドの5つ星ホテルがいくつもあり、快適なステイには事欠かない。

その中でもカンボジアらしいラグジュアリーを満喫するなら、Sala Lodgesがお勧め。


11棟のヴィラは全て、カンボジア各地の村にあった伝統的な造りの民家を移築したもの。南国らしい緑が生い茂る庭に点在する木造高床式の建物の内部は、雰囲気を上手に残しつつ現代のニーズに合うようにリノベーションされている。もちろんWifiも完備。







それぞれのヴィラに名前があり、自分が滞在しているヴィラのストーリーを読むのも楽しい。



プールは夕陽鑑賞スポット。


庭には水稲やハーブ類が植えられ、料理にも使われる。
遺跡や博物館で見る以外の、昔ながらのカンボジアのライフスタイルを垣間見られる宿。


2015年1月13日火曜日

シェムリアップのアートスポット

アンコールワットで知られるカンボジアのシェムリアップ。
遺跡の街だからと勝手に「悠久の時が流れる静かな古都」みたいなところをイメージしていたが、そんなことは全くなく、小さな店と屋台がひしめき合う道路を3人乗りのバイクやトゥクトゥクが走り回る、東南アジア特有の活気と混沌に溢れた街だった。

とはいえ、ヨーロッパ人観光客が多いことも影響してか、シェムリアップの街では、混沌の中に時々洗練が潜んでいる。アートスポットもそう。

まず、カンボジアの伝統工芸をベースに創作をする工房が2軒。ひとつは「アーティザン・ダンコール(Artisans d'Angkor)」。90年代に設立されたここは、若者が手に職をつけて故郷で仕事をできるようにするための職業訓練所も兼ねている。観光スポットとして公開され、工房内の絹織物、漆細工、彫刻など伝統工芸品の制作現場を間近で見学した後、、ショップへ案内される。よくある仕組みだが、このショップ、かなりセンスがいい。商品もあか抜けていて(「グッドデザイン賞受賞」のものも)、ディスプレイも上手。店員もうるさくついてこないし、おしゃれなインテリアショップみたいで、じっくり買い物したくなる。


もうひとつは「Eric and Thierry Stocker Angkor Artwork」。フランス人の兄弟が経営する工房とショップで、アーティザン・ダンコール同様、ハンディキャップを持つ人を含む若い職人を訓練し、漆細工を中心に制作している。ヨーロッパ人ならではのセンスをカンボジアの伝統にミックスし、独特の色使いや実験的な手法を取り入れている。労働力が安いカンボジアの環境をうまく活かし、クオリティに妥協せず、一つの作品にじっくり時間をかける主義。部屋に飾りやすい小さな作品はとても安価に購入できる。


アンコールの風景の写真なら、市内に3か所ある「McDermott Gallery」へ。オールドマーケット地区にあるギャラリーでは他のアジアの写真家の企画展も行っている。


コンテンポラリーアートはいくつかあり、ひとつは、「1961 Art Space」。コワーキングスペースとギャラリーを併設した施設で、若手ローカルアーティストの作品を展示・販売している。


ファンキーなフランス人夫妻アーティストの「No Bla Bla Station Art Box」も、ポップな色の仏像が面白い。「仏像にカラーがあってもいいでしょ?」という、スカルプチャー担当の奥様と、ペインティング担当のご主人の作品が仲良く飾ってある。(このギャラリーがあるCassiaというショッピングアーケードには、他にも素敵なギャラリーやショップが並ぶ。)


オールドマーケットでの駆け引きや雑踏に疲れたら、こんなアートスポットで素敵な時間を。