2015年1月13日火曜日

シェムリアップのアートスポット

アンコールワットで知られるカンボジアのシェムリアップ。
遺跡の街だからと勝手に「悠久の時が流れる静かな古都」みたいなところをイメージしていたが、そんなことは全くなく、小さな店と屋台がひしめき合う道路を3人乗りのバイクやトゥクトゥクが走り回る、東南アジア特有の活気と混沌に溢れた街だった。

とはいえ、ヨーロッパ人観光客が多いことも影響してか、シェムリアップの街では、混沌の中に時々洗練が潜んでいる。アートスポットもそう。

まず、カンボジアの伝統工芸をベースに創作をする工房が2軒。ひとつは「アーティザン・ダンコール(Artisans d'Angkor)」。90年代に設立されたここは、若者が手に職をつけて故郷で仕事をできるようにするための職業訓練所も兼ねている。観光スポットとして公開され、工房内の絹織物、漆細工、彫刻など伝統工芸品の制作現場を間近で見学した後、、ショップへ案内される。よくある仕組みだが、このショップ、かなりセンスがいい。商品もあか抜けていて(「グッドデザイン賞受賞」のものも)、ディスプレイも上手。店員もうるさくついてこないし、おしゃれなインテリアショップみたいで、じっくり買い物したくなる。


もうひとつは「Eric and Thierry Stocker Angkor Artwork」。フランス人の兄弟が経営する工房とショップで、アーティザン・ダンコール同様、ハンディキャップを持つ人を含む若い職人を訓練し、漆細工を中心に制作している。ヨーロッパ人ならではのセンスをカンボジアの伝統にミックスし、独特の色使いや実験的な手法を取り入れている。労働力が安いカンボジアの環境をうまく活かし、クオリティに妥協せず、一つの作品にじっくり時間をかける主義。部屋に飾りやすい小さな作品はとても安価に購入できる。


アンコールの風景の写真なら、市内に3か所ある「McDermott Gallery」へ。オールドマーケット地区にあるギャラリーでは他のアジアの写真家の企画展も行っている。


コンテンポラリーアートはいくつかあり、ひとつは、「1961 Art Space」。コワーキングスペースとギャラリーを併設した施設で、若手ローカルアーティストの作品を展示・販売している。


ファンキーなフランス人夫妻アーティストの「No Bla Bla Station Art Box」も、ポップな色の仏像が面白い。「仏像にカラーがあってもいいでしょ?」という、スカルプチャー担当の奥様と、ペインティング担当のご主人の作品が仲良く飾ってある。(このギャラリーがあるCassiaというショッピングアーケードには、他にも素敵なギャラリーやショップが並ぶ。)


オールドマーケットでの駆け引きや雑踏に疲れたら、こんなアートスポットで素敵な時間を。