パリ・シテ島のサント・シャペルには、世界一美しいとも言われるステンドグラスがある。
サント・シャペルは裁判所の敷地内にあり、外から見ると目立たないが、観光客の列ができているのですぐわかる(予約制だけどやはり待つ)。
建物に入ると、あれ?思ったより地味?と思うかもしれない。でもメインは上層礼拝堂。狭い螺旋階段を上っていく。
上層は、まばゆく素晴らしいステンドグラスに囲まれた空間。
パリ・シテ島のサント・シャペルには、世界一美しいとも言われるステンドグラスがある。
サント・シャペルは裁判所の敷地内にあり、外から見ると目立たないが、観光客の列ができているのですぐわかる(予約制だけどやはり待つ)。
建物に入ると、あれ?思ったより地味?と思うかもしれない。でもメインは上層礼拝堂。狭い螺旋階段を上っていく。
上層は、まばゆく素晴らしいステンドグラスに囲まれた空間。
パリ8区、凱旋門の近くにあるル・ロイヤル・モンソー・ラッフルズ・パリ(Le Royal Monceau, Raffles Paris)は、5つ星ホテルの中でも最高級を意味する「パラス」の称号を与えられたホテルのひとつ。更にここにはラグジュアリーだけではないアイデンティティがある。それはアート。
特色は「アート・コンシェルジュ」の存在。宿泊ゲストにお勧めの展覧会やギャラリーの情報はもちろん、ホテル内のアートツアーも提供している。ここに宿泊するなら、是非このアートツアーを体験することをお勧めする。
約1時間のアートツアーでは、聞かなければ気づかなかったであろう内装やアートのディテールや、ホテルの歴史的なエピソードを説明してくれる。例えば、普段だったら一瞬で通り過ぎてしまうであろうレストランの入り口の壁。アート・コンシェルジュに促されて近づいて見ると、小さな貝が敷き詰められた細工の美しさに気づく。ツアーで理解を深めた後は、ホテル内の色々な部分に目が行くようになり、ホテルで過ごす時間が一層面白くなる。
パブリックスペースのアートは定期的に展示替えされるので、行くたびに違う発見があるはず。パリではミュージアムだけではないアートの楽しみ方を。
パリに2021年6月にリニューアルオープンした話題のデパート、サマリテーヌ(Samaritaine)は、買い物する気がない人にもお勧めのスポット。
大規模改修のためにいったんクローズしたのが2005年。再開までに16年がかかったのだから、松坂屋→GINZA SIX(4年)のはるかに上を行く。
20世紀前半のアールヌーヴォー、アールデコ建築のスタイルの復活にも主眼が置かれ、改修には熟練の金職人、鉄工職人なども参加した。
見どころの一つはセーヌ川に面したポン・ヌフ館最上階の孔雀の壁画。長年隠されていたガラスの天井がよみがえり、自然光の下で美しく輝く。描いたのは20世紀前半に活躍したフランスの画家フランシス・ジュルダン。
美しいデパートでは売り場のディスプレイも気を抜けない。
そして反対側のリヴォリ館のデザインはSANAA。波打つガラスのファサードが目を引く。
昔の建築と現代建築の粋を集めたサマリテーヌ。尚、セーヌ川沿いの1階にはLVMHグループの5つ星ホテルシュヴァル・ブラン(Cheval Blanc)も入っている。
ワインもアートも好きな人には、これ以上の旅行先はない。南仏プロヴァンスにあるシャトー・ラ・コスト(Chateau la Coste)はワイナリー兼ミュージアム。それもかなりハイレベルな。
マルセイユ空港から車で約30分。民家や畑しかない静かな道を進み、シャトー・ラ・コストに到着。天気のいい暖かな日曜日。レストランやショップは日帰り客でも賑わっていた。
広い敷地には5つ星ホテル、ファインダイニングのレストラン、オーガニックのワイナリー、美しいブドウ畑、そして世界的に著名な建築家やアーティストたちの作品が多数。天国のような場所に笑みが抑えられない。コロナ禍で旅ができなかった間、どんなにここに来たかったことか!
ホテル棟の Villa la Costeは28室のヴィラで構成されるラグジュアリー・アコモデーション。部屋のテラスから臨むブドウ畑のパノラマは絶景。正面に見えているのはカベルネ・ソーヴィニョンの畑。
さて、シャトー・ラ・コストの魅力をフルに理解し楽しむためには、ワイナリーツアー、およびアートツアーに参加するのがいい。
シャトー・ラ・コストは2002年にアイルランド人の富豪・Patrick McKillen氏がワイナリーを買収。そして彼は名だたる「近しい友人」たちに作品を依頼し、アートと建築の要素を追加して2011年に一般公開した。
その友人リストがすごい。ジャン・ヌーヴェルがデザインしたワイン工場だなんて。
(2023年12月追記: 結局、新しくできるのは3つ星ホテルではなく、素敵なオーベルジュになったそうだ。楽しみ。)
3年ぶりにやっと行けたパリ。早速、ずっと気になっていたブルス・ド・コメルス(Bource de Commerce)を訪れた。
ブルス・ド・コメルスはケリングCEOのフランソワ・ピノーの私設美術館で、2021年5月にオープン。元は穀物取引所や商工会議所として使用されていた建物が安藤忠雄の手で生まれ変わった。以前はあまり治安が良くなかったエリアの流れを変えるのにも一役買っているらしい。
展示室は全部で10。複数の企画展が並行し、ピノーが40年間にわたり蒐集してきた現代アート約1万点の中から展示される。
ドーム天井を囲む19世紀の壁画も修復師が美しく再生。写真では小さくて良くわからないかもしれないが、その壁画の下で、手すりにとまっているハトたちは現代アート作品。
18世紀の穀物取引所の面影を残すのがダブル螺旋階段。重いトウモロコシの袋を担いで穀物庫と1階を行き来する運び夫たちがすれ違わなくて済むように設計されたものだそう。当時の知恵が美しいフォルムで保存されている。
現代アートと歴史が建物を通じて融合する素敵な美術館。
イタリア、エミリア=ロマーニャ州のリミニという街はアドリア海に面したリゾート地。日本からここを目指して観光で行く人は多くないと思う(少なくとも私の周りでは聞いたことがない)。行くとしたら仕事か(大きな展示会場がある)、近くのサンマリノ共和国に行くついでに寄る、というケースがほとんどではないだろうか。
でも、もしリミニを訪れる機会があったら「マラテスティアーノ寺院」は行ってみてほしい。名前は15世紀にこの寺院の改装を依頼した人物の名前・Malatesta(マラテスタ)から取られている。
中央の祭壇にはジョット・ディ・ボンドーネ作とされる十字架がある。パドヴァでジョットのフレスコ画を見た後だったため、せっかくなので見てみようと思った次第(ちなみに私もリミニは仕事で行っていた)。
でもジョットの十字架より、むしろ教会そのものに魅了された。
大理石のファサードの外観も堂々として絵になるが、内部の装飾にも目を奪われる。
イタリア北部・ヴェネト州の名産の一つにスパークリングワイン「プロセッコ」がある。
プロセッコはヴェネト州と隣のフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州の一部のみで生産される。中でもイタリアワインで最上位分類のDOCG(統制保証原産地呼称)のものは、コネリアーノとヴァルドッビアデーネの間の丘陵地帯、およびアーゾロの周辺で生産されたものに限られる。この丘陵地帯は「プロセッコ・ヒルズ」と呼ばれ、2019年にユネスコ世界遺産に指定された。急な傾斜の土地を人手で耕し葡萄の栽培に適した土壌に育てた歴史や、その景観が評価されている。
Borgoluceというワイナリーを見学した。瓶内で二次発酵、長期熟成させるフランチャコルタやシャンパンとは違い、プロセッコはそのフレッシュさ、フルーティーさを楽しむ飲み物。巨大なステンレスタンクで二次発酵させ、早ければ30日で熟成も完了。生産コストが比較的抑えられるため、価格もお手頃なものが多い。
魅力的な小さな街もある。それが前述のアーゾロ。15世紀にキプロスの女王だったカタリーナ・コルナーロが、キプロス王国と引き換えにヴェネチアからアーゾロを与えられた。彼女の下でアーゾロには芸術家たちが集まり、今でもその歴史はこの町に大きく影響している。
アーゾロには城壁や、ポルティコと呼ばれる屋根付きの歩道が残る。5つ星ホテルVilla Ciprianiではその美しい庭園や、周囲の丘のパノラマ風景も楽しめる。
プロセッコ・ヒルズとヴェネチアの中間に位置するトレヴィーゾも落ち着いたいい街。澄んだ水の運河が流れ「スモール・ヴェニス」とも呼ばれる。トレヴィーゾはティラミス発祥の地としても知られ、ちょうど街では「ティラミス・ワールドカップ」が開催されていた。世界中から(?)挑戦者たちが集まり、ティラミス作りの腕を競うらしい。それくらいティラミスはトレヴィーゾと切り離せない存在になっている。
トレヴィーゾでは壁画にも注目。トレヴィーゾ生まれのマリオ・マルティネッリというアーティストの作品が面白い。遠くから見るとわからないけど、金網を使った影アート。
ヴェネチアだけではもったいないヴェネト州。予定外の街に一日足を延ばしてみるだけでも、旅の深みがぐんと増す。