2020年8月7日金曜日

輝きの体験「INTENSITY」展


銀座のポーラミュージアムアネックスで開催中の「INTENSITY」展へ。松尾高弘氏の光のテクノロジーアート3点が展示されている。点数は少ないが、去り難さを感じる展示だった。

最初の作品「Phenomenon」は、横長のスクリーン上を砂金や炎を思わせる粒子の群れが、生き物のように流れる。

一見、自然でランダムな動きの裏に、綿密な計算が存在する。





黒いカーテンをくぐって進むと、暗い空間に輝く光のオブジェが浮かぶ。「Flare」という作品。一見、軽く脆そうにも見える多面体のプリズムが、真夜中の太陽のような力強い光を放つ。

そして圧巻は最後の「Spectra」。世界初の技術で「太陽光の放射角を持つ特殊なLEDの光」を実現したそう。光は上から降り注ぐ水に反射し、眩く美しい光と水のインスタレーションを浮かび上がらせる。あらゆるゴールドやシルバーのライトを集めたような華やかで圧倒的なきらめきに、時々、線香花火の繊細な閃きが混じったような光の雨。


ああ、残念なことにこの写真ではその美しさの千分の一も伝わらない…。

いやきっと、たとえ腕のいいカメラマンが8Kカメラで撮ったとしても、あの輝きも、それを目の前にしたときに感じる高揚もしくは沈静も、再現できないと思う。

テクノロジーと光と水を組み合わせることで、人間のリアルな知覚に訴えるエネルギーのある作品だった。


この展覧会は2020年9月6日まで。ソーシャルディスタンス確保のため予約制をとっており、各時間枠の定員は少人数なので安心して鑑賞できる。満席になってしまうこともあるので、早めの予約を。