2013年6月10日月曜日

上海のゆくえ

先週、上海に行ってきた。
ここ数年、仕事で毎年6月に訪れているが、その度に建物がどんどん増えていて、今回も、去年は工事現場の囲いがあっただけのところに超高層ビルが建っており、風景が一変していた。開発はまだまだ終わる様子がない。

ホテルの新規オープンの話もよく聞く。今回の滞在中にも、オープン間近の大手高級チェーンのホテルを見学する機会があった。確かに立派なホテルだったが、内装を見て受けた印象は正直なところ、そのチェーンが満を持してという感じではなかった。これから高級ホテルがますます増え、競争が激化していくであろう中、各ホテルは他との差別化をどう図っていくのだろうかと考えた。

開発の一方、上海の通りは混沌としている。タクシーは窓を全開にしてクラクションを鳴らしながら走り、信号のない横断歩道では、歩行者が待っていても止まろうとする車は圧倒的に少ない。ハノイやホーチミンを思わせる光景だが、ベトナムでは渡る歩行者を車が上手くよけながら走る一種の譲り合いで成り立っているのに対し、車優先の上海では、ひかれそうなリスクを冒しながら渡るしかない。


上海で最も好きな風景は、夜のライトアップされた外灘(バンド)だ。ラグジュアリーホテルやハイエンドなレストランがテナントとして入る、美しくリノベーションされたクラシックな西洋建築が並ぶ。河を隔てた対岸は、特徴的な形のテレビ塔や増え続ける高層ビル群が並ぶ浦東(プドン)地区。浦東が前へ前へと突き進んでいるのに対し、外灘は歴史を守りながら現代の時間軸に合うよう、しなやかに進んでいるような、対局的なイメージがある。
 
東京に帰った後、ニュースで習近平国家主席とオバマ大統領の会談の模様を見た。ともにノーネクタイで臨んだ会談で、中国側は「中国もサイバー攻撃の被害者である」とコメントしたことなども報道されていた。

上海の発展は、いまどの段階にあり、どこまでいくのか、さっぱりわからない。