2019年5月18日土曜日

Yves Klein、Lee Ufan、そしてDing Yi

上海の「Power Station of Art」で面白い企画展を見た。「The Challenging Souls」と題したイヴ・クライン、李 禹煥、ディン・イーの3人の展示。

国も世代も違うこの3人をなぜ?と思ったが、20世紀から現代にかけて東西における「アヴァンギャルド」を象徴する存在として選んだそうだ。1950年代から60年代にフランスで活躍したクライン、60年代から70年代の日本の「もの派」や韓国の「単色画」の中心的な存在となったウファン、そして80年代以降、クロスの抽象画で中国の現代アートをリードするイー。













展示はクラインへのオマージュの要素が強かったい。ウファンがこの展覧会のために作成した「Infinity Stairs」はクラインの青をイメージしたもの。


ディン・イーは、昔エルメスのスカーフをデザインした頃から気になっていたが、美術館で見る機会は初めてだった。クラインの青い巨大なプールと一緒に展示されたイーの作品は、クラインのブルーを邪魔せずに、しかし存在感を放っていた。


クラインの年譜や資料の展示では、彼がアーティストとして活躍する前に、柔道を極めていたことを知った。1952に年に来日し、講道館で修業し四段を取得。昭和28年の日付が入った「イーブ・クラン」宛ての免状も展示されていた。

そして彼は柔道をヨーロッパに拡めるべく、本を出版する。その表紙は、さすが、アートブックのようである。(狙った読者層に響いただろうか?)


クラインの回顧展でもあり、アバンギャルドの系譜でもあり、今も活躍するアジアの二人のアーティストのポイントを押さえた展示でもあり、色々な角度から見応えがあった。展示は7月28日まで。