3か月ぶりにシンガポールを訪れた際、Yip Yew Chongさんの最新作を見に行った。
それは中心地のマリーナベイから車で30分くらいのWoodlands Health Campusという病院にある。出来立てでペンキが乾ききっていないのか、それともまだ仕上げ作業中なのか、「立ち入り禁止」のテープが張られ、作業用リフトもそのままだった。
病院のイベント広場の壁一面に描かれた大作。
コーヒーショップと書かれた店先には、鶏の丸焼き?みたいな料理が吊り下がり、マレー系、中華系と思われる地元の人たちが食事をしている。ノスタルジックな風景にも見えるが、スマホを持っている人、電動車いすに乗っている人もいるので、現代の様子なのだろう。
商店の上は住宅になっていて、2階にはインド系の家族が暮らしている。1階上のご近所さんに手を伸ばしておすそ分けする技は現実ではありえないが、立体感が見事。
病院を描いた部分では、室内には医師の話を聞く患者やリハビリをする人がいて、外の庭園では散歩や談笑をする人たちがいる。
実際にこの壁画が面するイベント広場では、クロワッサンやサンドイッチなどを売る人たちが机を出して商品を並べ、ミニマーケットが始まろうとしていた。病院なのに、Yipさんの壁画の効果もあり、一層温かく活気ある場所に見えた。