2024年7月15日月曜日

シンガポールで壁画巡り ③ウッドランズ・ヘルス・キャンパス

3か月ぶりにシンガポールを訪れた際、Yip Yew Chongさんの最新作を見に行った。

それは中心地のマリーナベイから車で30分くらいのWoodlands Health Campusという病院にある。出来立てでペンキが乾ききっていないのか、それともまだ仕上げ作業中なのか、「立ち入り禁止」のテープが張られ、作業用リフトもそのままだった。

病院のイベント広場の壁一面に描かれた大作。


一番左端に病院の建物が描かれ、右に向かって近所の商店、公園、民家が続く。遠くには海が見え、対岸に向かって橋が伸びる。向こう側はマレーシアだろうか? ここはジョホールバルからも近い。





公園の大木のツリーハウスから籠に乗って下りてくる猫と少年。ちょっと太めの猫はYipさんの作品にはよく登場するキャラ。眼鏡をかけた少年はもしかするとYipさん本人かも?「Woodlands」の看板の「W」の文字だけ剥がれているのもリアルな感じ。


この絵には「シンガポールらしさ」が詰まっている。木の下では、おそらく周りの民家に住む女性たちがドリアンなどのフルーツを食べている。

コーヒーショップと書かれた店先には、鶏の丸焼き?みたいな料理が吊り下がり、マレー系、中華系と思われる地元の人たちが食事をしている。ノスタルジックな風景にも見えるが、スマホを持っている人、電動車いすに乗っている人もいるので、現代の様子なのだろう。


商店の上は住宅になっていて、2階にはインド系の家族が暮らしている。1階上のご近所さんに手を伸ばしておすそ分けする技は現実ではありえないが、立体感が見事。


病院を描いた部分では、室内には医師の話を聞く患者やリハビリをする人がいて、外の庭園では散歩や談笑をする人たちがいる。


実際にこの壁画が面するイベント広場では、クロワッサンやサンドイッチなどを売る人たちが机を出して商品を並べ、ミニマーケットが始まろうとしていた。病院なのに、Yipさんの壁画の効果もあり、一層温かく活気ある場所に見えた。