森アーツセンターギャラリーで開催中の「ボストン美術館展」を先週見に行ったのですが、その混雑ぶりは予想以上でした。チケット売り場はシニア層の方を中心に列ができ、とても平日朝の六本木ヒルズとは思えない・・・。
改めて、日本人の印象派好きを認識しました。
この調子じゃあ、オープンしたばかりの「オルセー美術館展」なんてどんなに混んでいることか、恐ろしくてまだ行けません。
普段は一度に見られない作品群が日本に集合する展覧会は、もちろん行く価値大ですが、
満員電車のような人混みのストレスが大きくて、芸術を愛でる心境になれないこと、ありませんか?
むしろそういうときは「下見」と割り切って、好きな作品があればその故郷まで行ってみるのが一番です。
印象派ファンには気になるイベントがこの夏、フランスのノルマンディーで開催されます。
その名もずばり「ノルマンディー印象派フェスティバル」。
6月から9月までの間、ルーアンやル・アーヴルなど各地の美術館でモネ、ゴーギャン、ドガなどの企画展が開かれるほか、「草上の昼食」さながらのランチョン、ガンゲットと呼ばれるオープンエアのダンスホールの再現などなど、様々なイベントが予定されているそうです。
印象派のルーツを辿るなら、たとえばパリからセーヌ川に沿うようにノルマンディーを北上。
スーラが描いたグランド・ジャット島、
モネの睡蓮の池の庭園があるジヴェルニー、
モネが30バージョン以上も描いた大聖堂のルーアン
ブーダンの生まれ故郷の港町オンフルール、
印象派という呼び名の由来となった絵の舞台ル・アーヴルなどを通り、
モネ、マネ、ブーダンなどが魅せられた、白い崖とアーチが美しい海岸の町エトルタまで。
アーティストたちを魅了した光と色彩を体感する旅は、どんな展覧会よりも鮮やかな印象を残してくれるはずです。