すでにメジャー観光地となった北京の798アート地区。
中国や海外の一流ギャラリーが軒を連ね、欧米からの観光客も目立ちます。
アートによる再開発、アートの観光資源化という点でも成功していると言えるでしょう。
かつて工場だったレンガ造りの建物群は、当時の煙突やレトロな雰囲気を残したまま、アートギャラリー、ブティック、カフェに転身。ギャラリー兼ブティックのような形態の店も多く、洋服や小物は、むしろ北京中心地よりお洒落な感じです。
各ギャラリーは、天井が高くスペースが広い体育館のような建物の特徴を生かし、上手に作品を展示しています。壁のところどころに「中国共産党万歳」など工場時代のスローガンがそのまま残っているのも面白いし。
ギャラリーよりも美術館と呼んだほうがしっくりくるような、レベルの高い企画展も多く見ました。特に印象に残ったのはPace Beijingのダイアン・フォン・ファステンバーグの"Journey of a Dress"展。ガラスのファサードを入るとカラフルなドレスの数々に迎えられ、その奥に彼女の40年のデザインの軌跡が展開されています。美しい展示でした。
ちなみに日本と勝手が違い、798の懇切丁寧な「フロアマップ」は存在しません。時間が限られているなら、お目当てのギャラリーの位置だけでも事前に確認していくのがベターです。