同博物館のコレクションを中心に、江戸時代から明治初めの数々の春画を時代背景とともに展示している。歌麿、北斎、鈴木春信などなど、誰もが知る巨匠たちの作品も多数。
春画は、描写がデフォルメされているもののあからさまなので、それ自体好き嫌いはあるが、こういうものが(幕府の弾圧を受けながらも)広く楽しまれていた江戸時代の風俗の大らかさを知るうえで興味深い。むしろ当時は西洋人のほうが拒絶反応を示したとか。
しかし海外の芸術家たちにも影響を与えたことは一般の浮世絵と同じ。ピカソも春画のコレクションを持っていたらしい。
見にきていた客層は良く、ほとんどが40代、50代以上の大人。初老の夫婦や、女性同士で来ている人たちもみられた。ユーモアに時々くすりと笑いながら、静かに説明を読み、ゆっくり鑑賞していた。
この展覧会は日本でも巡回展として開催されるべく準備が進んでいるが、打診を受けた美術館の多くは、日本で前例のない展示内容に二の足を踏み、様子見しているらしい。あの大英博物館で展示されたものにも関わらず。
阿修羅像で突然仏像ブームが起こった時のように、日本でもSHUNGAが一躍脚光を浴びる可能性は十分ある。SHUNGAをユーモアあるカルチャーと受け止められる大人が増えさえすれば!