マレー半島の東にあるこの小さな島は、まだ日本ではあまりメジャーになっていないが、その海の美しさでは定評があり、世界中のダイバーたちが訪れる。島の周りの海は海洋保護区に指定されていて、マレーシアで最も美しい海という評価も目にする。
レダン島へのアクセスは、曜日によってはクアラルンプールのスバン空港かシンガポールから直行便があるが、それ以外の日はクアラルンプール国際空港から国内線で1時間のクアラテレンガヌまで飛び、そこからフェリーで100分、またはスピードボートで50分。日本からだと場合によってはどこかで一泊が必要。いずれのルートでも、ちょっとした「はるばる来た」感がある。
この島唯一の5つ星リゾートが「The Taaras Beach & Spa Resort」。目の前にはホワイトサンドビーチと遠浅の海が広がり、すぐ沖にはシュノーケリングもできるハウスリーフがある。
The Taarasのビーチの砂は、パウダーサンドという表現がぴったりのきめの細かい白い砂。海の水は暖かく、入るととても心地がいい。水の透明度は抜群。砂も細かい割に舞い上がっていないので、底までクリアに見える。
今回、私が最も楽しみにしていたのはシュノーケリング。到着した午後、早速ハウスリーフまで泳いだ。ビーチからはすぐ近くに見えたリーフだが、泳ぐと意外と遠い。それもそのはず。サンゴを保護する目的で、この海ではフィンの使用が禁止されているので、素足でパタパタ進むしかないからなおさら遠く感じるのだ。(あとで上から見たら、ビーチからリーフまで軽く100mは超えていた。カヤックとかで行くのが正解。)
そしてやっとたどり着いたリーフ。確かにサンゴもあるし、魚も泳いでるし、まあ、シュノーケリング向きだけど、期待値がものすごく高かっただけに、正直言ってびっくりはしなかった。(帰りの100mが更に長かったこと…。)
これでは「はるばる来た」甲斐がないので、翌日はシュノーケリングツアーに参加。リゾートから島の反対側、といっても車で10分程度のジェッティーからボートで沖に出る。ボートはジェッティーからわずか5分くらいのところで停まった。え、こんなに近くていいの?と思いながら、水に入ると・・・
魚に包囲されてる!
小さな魚たちが群れになって目の前を通り過ぎていくだけでなく、こちらに突進してくる(ように見える)。すぐ下には色鮮やかなサンゴが太陽の光を浴びている。魚はこちらを気にする様子もなく、平気で鼻先を泳いでいく。
見たかった風景ではなく、想像を超えた光景。
海の世界に溶け込んだような気分でしばらく泳いだ。
The Taarasには私が到着した日まで、地上波局のリゾート番組のクルーが撮影に来ていた。はるばる行く価値のあるレダン島の海の素晴らしさ、伝えてくれますように。