2014年6月7日土曜日

上海 by day, by night

毎年恒例のラグジュアリートラベルのトレードショーで上海を訪問した。

新しい高級ホテルのオープンが続く上海では、老舗のホテルも次々にリノベーションに着手し、サービスとハードの両面でしのぎを削っている(同じ傾向は2020年に向けた東京でも見られると思う)。ブランドショップが並ぶ大通りがますます華やかさを増したように感じる一方、人と車の交通量の多さ、鳴り響くクラクションなど、混沌とした様子も相変わらず。でも、それが上海を一層エネルギッシュに見せる所以なのだと思う。

行く前から気になっていたのは大気汚染。PM2.5の問題が報道されて久しいが、上海の状況も良くはない。今回私は、大気汚染の度合いを示す「空気質指数(AQI)」というものを初めて知ったが、友人の北京在住の中国人の話では、毎朝AQIをチェックするのは当たり前で、彼はそれによってジョギングするかどうかを決めると言っていた。日本人が降水確率を見て傘を持って出るかどうかを決めるくらいの感覚かもしれない。

でも空気に関しては、マスクをするくらいしか防御の方法がない。タクシーで移動すればいいかというとそんなことは全くなく、ほぼ全てのタクシーがエアコンをつけずに窓全開で走るため、かえって排気ガスをまともに吸うことになるという、皮肉な事実。

部屋にいても、今年は昨年よりインターネット環境が悪くなっていた気がする(泊まっていたホテルの回線の問題もあるかもしれないけど)。以前からこのブログは中国からは見ることも投稿することもできなかったが、それ以外にも表示できないサイトが増えていた。

と、気になる点は色々あるにせよ、素敵な場所も多いのが上海。特にこの街は夜に魅力を発揮する。

外灘(バンド)の夜景は、何度見ても、昼間の街の喧騒を忘れさせる存在感がある。黄浦江添いに並ぶライトアップされた歴史的建築群は、新しい建築物では太刀打ちできない優雅な美しさを放っている。


洒落たレストランやバーなど、話題のナイトスポットが集まるのもこの地域。歴史的建築物のひとつの和平飯店をリノベーションしたFairmont Peace Hotel Shanghaiのルーフトップからは、対岸の高層ビル群の夜景が臨める。


いつ行っても外灘には独特の雰囲気がある。独自の速度を保っているようで、一番進んでいるような。そもそもここがなかったとしたら、上海の魅力は今と同じレベルであり得ただろうか?

私は外灘なしの上海には、きっと魅力を全く感じない。