2015年9月20日日曜日

昭和レトロで江戸の粋

先週末、目白台の永青文庫で開幕した「SHUNGA 春画展」の内覧会とレセプションに伺った。

細川家の屋敷跡にある永青文庫は、高台のうっそうとした緑の中にあり、大通りから細い石段を上っていくと、車の音が遠くなり、9月後半になってもまだ頑張っていたセミの声に変わった。なんか、すごく高いところに来た気がする。

この展覧会の主催者の方は、2013年秋にロンドンの大英博物館で行われたSHUNGA展を日本に持ってくるべく尽力されてきたが、春画の展示に日本の美術館は及び腰で、なかなか会場が決まらず苦心していらした。最終的に決まった永青文庫は、世間の時の流れを無視したような雰囲気を、昭和初期のレトロな洋風建築が更に助長し、普段のマインドセットがちょっと崩される。結果として春画の独特な文化をフラットな気持ちで鑑賞するにはぴったりな場所だったように思う。
展示内容ももちろん素晴らしかったが、レセプションの会場の和敬塾本館も興味深かった。ここは旧細川侯爵邸で、月2回程度の見学会を除いては普段は非公開。挨拶に立った細川護熙元首相もここで生まれたとのこと。昔は中庭に土俵があり、何故か横綱の免状はここで授与されていたのだとか。

旧侯爵邸に飾られたSHUNGA展ポスター

乾杯で配られたシャンパンのグラスは、久々に見たクープ型!徹底したレトロ感の維持、素晴らしいと、本気で思った。