細川家の屋敷跡にある永青文庫は、高台のうっそうとした緑の中にあり、大通りから細い石段を上っていくと、車の音が遠くなり、9月後半になってもまだ頑張っていたセミの声に変わった。なんか、すごく高いところに来た気がする。
この展覧会の主催者の方は、2013年秋にロンドンの大英博物館で行われたSHUNGA展を日本に持ってくるべく尽力されてきたが、春画の展示に日本の美術館は及び腰で、なかなか会場が決まらず苦心していらした。最終的に決まった永青文庫は、世間の時の流れを無視したような雰囲気を、昭和初期のレトロな洋風建築が更に助長し、普段のマインドセットがちょっと崩される。結果として春画の独特な文化をフラットな気持ちで鑑賞するにはぴったりな場所だったように思う。
旧侯爵邸に飾られたSHUNGA展ポスター |
乾杯で配られたシャンパンのグラスは、久々に見たクープ型!徹底したレトロ感の維持、素晴らしいと、本気で思った。