2017年12月21日木曜日

ジャコメッティのバラ色の天井画

チューリヒの警察署は、実は隠れた必見のアートスポット。

扉を入ってすぐの玄関ホールは「ジャコメッティ・ホール」と呼ばれる。そこはアーチ形の天井がバラ色に彩られた、美しく夢のような空間がある。

(内部は撮影禁止なので、写真はこのサイトでご覧ください。https://www.zuerich.com/en/visit/attractions/giacometti-hall )

天井と壁は花の絵で埋め尽くされ、幻想的にライトアップされている。2か所の壁には、労働者の絵と、天文観測をする人の絵がある。

描いたのはアウグスト・ジャコメッティ。針金のような彫刻で知られるアルベルト・ジャコメッティの父親の従弟に当たる。

この天井画と壁画は、元は孤児院だった建物を、市の警察の本部に改修した際に制作されたというから、驚く。元々あった天井画を警察署が残したのではないのだ。警察というイメージからは程遠い、ファンタジックで、一歩入れば誰もがうっとりとたたずむような空間が、警察の建物のために作られた。そこにどういう意図があったのかはわからないが、とにかくここは見に行く価値がある。

アウグストはジャコメッティ・ファミリーの中でもチューリヒにゆかりが深い。彼の作品はKunsthaus Zurich(チューリヒ美術館)でも見られるし、また、グロスミュンスターなど市内の教会にもステンドグラス作品が残る。

でも、この玄関ホールの感動は、他にはない。必見。