2019年3月12日火曜日

舌の上の旅

変わった体験をした。

青山のIntersect by Lexusでの「Journey on the Tongue」という体験型エキシビションへ。

「舌の上で旅をする」というタイトルそのままの説明を読んでも、さっぱりわからないので、とにかく体験してみる。

まず、それぞれ違うオブジェが入った12のガラスケースを前に、開けて香りを嗅いで、一つ選ぶように言われる。土、花、毛皮、その他正体不明な香りが並ぶ。好きな香りよりも自分が嗅いだことがない香りのほうが面白い旅ができますよ、と。でも、嫌いな香りの旅はしたくないので、ニュートラルなものにしよう。黒い石の香りを選ぶと、「野生と瞑想」という札を渡される。これが私の旅のテーマ。(テーマは全部で3つある。)

同じテーマを選んだ人が4人ずつブースに入り、それぞれ椅子に座る。前には天井から重しのようなものが釣り下がっており、係の人が、先端に丸いキャンディーが付いたプラスチックの棒をそれに差し込んでいく。体験者は耳栓をしてキャンディーを口にくわえ、目を閉じて「旅」に出る。

耳栓をするということは、静寂の中で味覚だけに集中するということかと思いきや、口の中のキャンディーを通じて、振動とともにはっきりとしたサウンドが聞こえて来て驚く。ジャングルや、野生動物を連想させる音。耳から入ったのではないはずの音が、こんなに明確に聞こえるなんて!

キャンディーのほうは、口の中で溶けるにつれて味が変化する。自分が選んだ香りが含まれているらしい。

香りや音楽を使ったメディテーションは一般的だが、香りを味覚に変換し、味覚とサウンドを直結させた体験は新鮮。わずか4分間だったが、五感を意識できた旅だった。

私はどこへ行っていたんだろう?