トレードショーに参加するため4年ぶりに南仏のカンヌへ。
眩しい太陽と輝く海。冬でも昼間はコート要らず…のはずが、今年は東京の初冬が暖かすぎたせいか、12月初めのカンヌはいつもより寒く感じた。それでもやはり、一年中サングラスとテラス席が似合うこの街は魅力的で、気分がいい。
でも日が暮れると気温はガクンと下がる。カンヌの夜は、海岸通りのいくつかのホテルがライトアップされ、ブランドショップのショーウィンドウの照明がついている以外は比較的おとなしい。例年クリスマスシーズンには、商店街などにはそれらしい飾りが出ているけれど、特に力を入れている感じはなかった。
今年リノベーションを終え再オープンしたカールトンホテル |
そんなわけで、昼間のミーティングが終わり、カクテルパーティに2軒くらい顔を出した後のカンヌには見るものもなく寒いので、足早にホテルに向かっていたとき、今回は路面にクルクルと回る光のアートを発見。それも一か所ではなく街のあちこちでクルクル。少しずつ色や柄が異なり、人通りが多くはない場所でも静かに回っている。これ結構いいな、と、ちょっと足を止めて眺める。
今年のカンヌのクリスマスはこれだけではなかった。角を曲がって目に飛び込んできたのは、なんとも派手に光る建物。
前面がプロジェクションマッピングに覆われたその建物は「Eglise Notre Dame de Bon Voyage(良い旅のノートルダム教会)」。1815年にエルバ島を脱出したナポレオンが最初に立ち寄った教会で、安全な旅の守り神とされている。その白い壁は投影にうってつけのスクリーンだった。
しかしこのインパクトは、夜のカンヌでは間違いなく目立っている(いや、浮いている)。
普段はおとなしい教会の変貌にちょっと驚いたが、どうせやるならこれからも続けてくれるかしら、デザインも毎年変えてくれるかしら、今回は静止画だったけどいっそ動画にも挑戦してくれるかしら、などと勝手に期待が膨らみ、結局、来年のプロジェクションを楽しみに思っている私。
翌朝出かける頃には教会はいつもの姿に戻ってすましていた。