早朝に乗るはずだったビルバオからフランクフルト行きの便が、ヨーロッパ各地の荒天のため欠航に。これで午前中の羽田行きには乗れない。
提示された最も早い代替便はヨーロッパ内で二回乗り継いで成田行きに接続する午後のデュッセルドルフ行き。それがその後ディレイになり、チケットカウンターで接続便を再度変更したら、今度はキャンセルになり…
ヨーロッパでもう一泊する羽目になりそうだったところを、さっき振り替えをしてくれたルフトハンザのチケットカウンターのお姉さんの機転で、奇跡的に、もう搭乗が始まっていた別のフランクフルト行きと、そこからの成田への直行便に振り替えてくれた。こちらから頼んだ訳ではないのに、デュッセルドルフ行きがキャンセルになったのを見て、とっさに変更し、ラウンジに電話してきてくれたのだ。
「今すぐ、搭乗ゲートに行って!」
搭乗券を持ってゲートにやって来た彼女は、私の荷物もちゃんと同じ飛行機に乗るよう、自分で確認してくれたと言う。
本当にありがとう、とお礼を言って別れ、機内へ。
もう、起きてから10時間くらい経っている。
飛行機が雲を抜け、水平飛行に入ってから、アテンダントの女性が申し訳なさそうにミールを配った。
「ビルバオのケータリングが、間違えて朝食を積んでしまいまして…」
午後3時過ぎ。
あはは、と笑った。
いいじゃない、ちょうどシャンパンもあるし、雲の上の、遅めのシャンパン・ブレックファスト。
私の一日はここから始まったことにしよう。