二月堂といえばお水取り(修二会)が行われる場所、ということ以外は良く知らない。期待値フラットな状態で到着したら…
澄んだ冷たい冬の夜空をバックに輝くお堂。
二月堂の周りの回廊には24時間自由にアクセスできる。寒い夜だったので人気もまばら。鹿もいない。近づいてみると、お堂を照らしているのは人々が奉納したたくさんの吊り灯籠だった。現在のお堂が建てられたのは1669年。灯籠には奉納された年と奉納者の名前が記してあり、江戸時代や明治時代のものも少なくない。昔の人々の祈りが今でもここにあることに不思議な感慨を覚える。
そして灯籠のデザインにも注目。影絵のように柄が美しく浮かび上がるものや、シンプルなものなど、時代によって違いはあれど、どれも洗練されていて、さながら灯籠ショールームのよう。
回廊からは夜景を一望。夜の二月堂は奈良を静かに満喫できる素敵な場所だった。