最近、「セットジェッティング(set-jetting)」という言葉を知った。
初めて目にしたときは「ジェットセッティングの間違い?」と思ったが、そうではなく、映画のロケ地を訪ねる旅のことをそう呼ぶらしい。映画のセット(舞台)を見にジェット機で飛んで行く、という意味。
コンセプト自体は新しいものではないが、そういう呼び名ができたということは以前よりポピュラーになってきているのかもしれない。海外のメディアでは、今年の旅のトレンドのひとつにセットジェッティングを挙げているものもあった。何故かということまではその記事は踏み込んで分析していなかったが、思うに、感情移入できる何かやストーリー性を旅に求める人が増えているのだろう。
セットジェッティングは何も映画やドラマに限ったことではない。小説や音楽、アートにも当てはめられる。
そんなことを考えていたら、先週、フランス観光開発機構から連絡を頂いた。昨年応募していた「プロのためのフランスツアー企画コンテスト」で、私の企画がベスト企画賞に選ばれた、と。
わお。
嬉しさと同時に、そのタイムリーさに、ちょっと驚いた。
なぜならその企画、まさにアートのセットジェッティングの旅だから。
「印象派の光と色 ノルマンディーとプロヴァンス11日間」と題し、印象派とポスト印象派をテーマに、名画に描かれた風景や、巨匠たちのゆかりの地を巡って、北のノルマンディーから南のプロヴァンスまでフランスを縦断。締めくくりはパリのオルセー美術館で、これまでの行程で自分の目で見てきた風景と、画家たちの想いが凝縮された作品を鑑賞するというプラン。
http://www.cognoscenti.jp/bespoke-jp/impressionismjp.html
初夏の気持のいい気候の頃、自分でも行ってみるつもり。