2021年8月19日木曜日

旧朝香宮邸とルネ・ラリック

東京都庭園美術館で開催中の「ルネ・ラリック リミックス」展へ。


言うまでもなく、これほどラリックの展示にぴったりな場所はない。美術館の本館として公開されている旧朝香宮邸は、1933年築のアールデコ・スタイルの洋館。そもそも内装にラリックも関わっていた。


今回の展示は、ラリックが手掛けたジュエリーの数々に始まり、自然をモチーフにした装飾品、香水瓶、装飾パネルなど、ガラス作品へと転換していく彼の作品の流れを追っている。大量生産が可能で多くの人の手に渡る作品も、注文生産の一点ものと同様の神経を注いだというラリックの美意識が反映されている。


ラリックはシャンパーニュ地方のアイ村の出身だと今回知った。2才でパリに移ったそうだが、最高級のお酒をどのボトルも変わらぬ品質で作り続けるシャンパーニュの気質が、ラリックのものづくりに多少は影響したんじゃないかと、勝手に想像している。

展示を見た後は、是非庭園へ。8月29日までは茶室「光華」が特別公開されていて、やはりガラスを扱うアーティストの青木美歌さんの茶道具が展示されている。