2021年8月20日金曜日

パビリオン・トウキョウ その2

7月に見た「木陰雲」に続き、都内で展開中の「パビリオン・トウキョウ2021」のうち、246沿いの作品を見て廻った。

このプロジェクトではほとんどの作品が既存の名所や建築物の前に設置され、コラボレーションのような風景を作っている。

外苑前のいちょう並木の入口にあるのは会田誠の「東京城」。段ボールとブルーシートで出来た二つの城が、対になった狛犬のようにそびえる。


国連大学前にある大きな木のボウルは平田晃久の「Global Bowl」。丹下健三の建物とマッチして、絵になる!

お隣の旧こどもの城前にあるのは、木の枠組みにさまざまな植木鉢を並べた「ストリートガーデンシアター」(藤原徹平)という作品。都心に緑の居場所を作った心優しい作品だが、岡本太郎の彫刻のインパクトの強さはどうしたって無視できない。


246を少しそれた渋谷区役所の分庁舎には、草間彌生の「オブリタレーションルーム」がある(見学は事前予約が必要)。ここは「借景もの」ではなく、参加型。

「オブリタレーション」は消滅という意味。参加者は大小のカラフルな円いシールのシートを渡され、それを白い室内の好きな場所に貼ることを求められる。そうして次第に部屋は水玉で埋め尽くされて消滅するーというコンセプト。


最初の状態は見ていないがきっと真っ白な部屋だったはず。ということは、草間先生が提供したのは白い部屋と、消滅のコンセプトと方法論、ということになるが、それに従って一般参加者たちが作ってきた部屋は、見た目はかなり「草間ワールド」っぽい。アーティスト本人が直接手を下さずとも想定通りのものが出来る仕掛けって、簡単なようだけど、とてもよく考えられてると思う。


でも部屋が消滅するにはもう少し時間がかかりそうだった。