2017年9月15日金曜日

ヴェネチア 中世の館での滞在

ヴェネチアは他に例を見ない、美しい景観を持つ街だと思う。


湾の潟の上にあり水に囲まれたヴェネチアは、細い運河と路地が街中を縦横に走る。

今年のUNESCOの危機遺産リスト入りは何とか免れたが、地盤沈下による水没のリスクはヴェネチアの大きな課題。(ちなみにヴェネチアの代わりにリスト入りしたのは何とウィーン。都市開発で街並みが損なわれることへの懸念が理由らしい。)

それ以上に地元の人を悩ませるのは、押し寄せる観光客の数。大型クルーズ船の寄港もあり、人口55,000人弱に対し、一日60,000人が訪れる。家賃は上がるし、市民の足でもある水上バスは常に大混雑。船に乗るか歩くかしかない街で、細い路地にも人が溢れる。


地元の人の嘆きはもちろん理解するが、これは観光客にも困った事態。ホテルは高騰するし、取れないし、どこも常に人でいっぱい。

でもやはり行きたいヴェネチア。快適な滞在の第一歩として、まず空港からは水上タクシーを予約しておく。これならサンマルコ広場近辺までノンストップ、約30分で着く。

そして船着き場がある運河に面した宿を選ぶ。スタッフが迎えてくれて、部屋までダイレクトアクセス。

歴史的建造物に泊まるのも中世の街ならではの楽しみ。ホテルもいいが、筆者が実際に泊まってみてお勧めするのは「Palazzo Ca'Nova」という12世紀の館(上写真手前)。

中は3つのアパートメントに分かれ、天井が高い昔の建物の特徴はそのままに、いずれも快適にリノベーションされ、カラフルでモダンなインテリア。ホテルよりずっと広い空間を享受できる。


場所はサンタマリア・デッラ・サルーテ教会の向かい、サンマルコ広場からも歩いてすぐの中心地。

サービスは毎日のハウスキーピングと、毎朝届く出来立てのクロワッサンの他、館のプライベート・セクレタリーがとっておきのヴェネチア情報を教えてくれる。

一人旅からファミリーまで、自分たちだけの静かな空間を持てる宿はヴェネチアでは貴重。人気の街ほど、こういう選択肢を持っておきたい。