会場は「名古屋商工会館」という、銀座4丁目とは思えない名前のビル。1930年に建てられたこのレトロなビルは、もうすぐ取り壊しが予定されており、一棟丸ごと、コンテンポラリーアートスペースとして最後の活躍をしている。
美術展には珍しく当日券はなく、完全事前予約制。そう言われると一瞬、面倒くさ、と思ってやめそうになるが、そこで踏みとどまる人だけを集めるにはいい方法かもしれない。
各日400名限定という定員は、建物の構造にも配慮してのことらしい。
各フロアは狭い廊下に沿った小さな部屋に分かれていて、それぞれのドアにアーティストの名前が書かれている。この古い校舎のような、実験的展示スペースみたいなところに、アニッシュ・カプーア、イ・ウーファン、名和晃平などなど、国内外の多数の著名アーティストの作品が集まっているのだから、すりガラスがはまった小さなドアを開けるたびに、ちょっとわくわくする。
それぞれの部屋に、それぞれの世界。
様々なミクロコスモスに入り込める、上手な展示だった。
*The Mirrorは2014年10月16日から11月9日まで開催。