よく手入れされた広い庭園を囲むように建物があり、庭園にはヘンリー・ムーア、リチャード・セラなどの作品が点在している。海沿いのコールダーの向こうには、スウェーデンが見える。
学芸員の方の案内で館内を見学し、ここの由来を聞いた。創立者のKnud W. Jensen氏は、もともとここをデンマークのモダンアートに特化した美術館にしようとしていたのだが、ドイツのドクメンタで見た海外のアートに触発され、世界のモダンアートに方向転換したそうだ。
ちなみに、何故「ルイジアナ」なのか、誰もが聞く質問の答えは、建物の元のオーナーの奥さんの名前がルイーズだったから。アメリカの州は関係ない。
コレクションは第二次世界大戦後の彫刻と絵画が中心で、ヨーロッパのヌーヴォーレアリスム、アメリカンのポップアート、そして90年代以降のコンテンポラリーアートなど、今でも拡大を続けている。広い館内では常設展示の他、常にいくつかの興味深い企画展示をやっている。訪問時はオプアート&キネティックアートを含む3つの企画展が進行中だった。
今年の初めにかけて開催した「草間彌生展」には、美術館側の予想をはるかに上回る観客が訪れ、草間氏のデンマークでの認知度を更に高めたらしい。常設コレクションの鏡の部屋は、見学を待つ列ができていた。
一番印象に残っているのは常設の「ジャコメッティ・ギャラリー」。新緑と池を背景に、こんなにすがすがしく立っているジャコメッティは見たことがない。
緑の庭園を散策したり、広いショップやカフェで時間をつぶしたり、海を眺めながらソファで休憩したり、アートをのんびり見ながら日がな一日過ごせる美術館。是非時間を取って訪れたい。