2017年3月13日月曜日

ホノルル・ビエンナーレ2017 見どころガイド①The Hub

3月8日に開幕したホノルル・ビエンナーレ2017。2か月間にわたって開催されるハワイ初のこの国際ビエンナーレには33組のアーティストが参加し、ホノルルの街をコンテンポラリー・アートで飾っている。

市内9か所の会場のうち、アラモアナ・ショッピングセンター隣にあるWard Villageの「The Hub」がメインの展示スペース。正面の絵はEko Nugroho(インドネシア)の作品。彼の作品は建物の中とShangri-laでも展示されている。

入り口ではChoi Jeong Hwa(韓国)のピンクの豚がお出迎え。昨年の六本木アートナイトの際は六本木ヒルズにいた。

The Hubで人気を集めている作品のひとつはチームラボ(日本)の参加型アート「Graffiti Nature」。部屋の床一面を蝶、花、クジラなど様々な生き物が泳ぎまわり、大きな生物が小さな生物を吞み込んでいく様は、食物連鎖を表現している。
画用紙とペンが用意されていて、子供たちが(もちろん大人も)好きな生き物を描き、それをスキャナーで取り込むと、描いた生き物が画面上に泳ぎだす。

Ken & Julia Yonetani(日本/オーストラリア)の「Crystal Palace」シリーズも注目。
部屋に入ると4つのシャンデリアが緑の蛍光色を放ち、その美しさに皆、「おお」となる。実はこの光はウランガラスによるもの。一つのシャンデリアは一つの国・地域を表し、それぞれの原子力発電量に応じて大きさが決まる。ビエンナーレでは米国、中国、日本、台湾(大きさ順)の4つが展示されている。3.11の原発事故で日本の原子力発電所の稼働が減少した後に制作された。

今回の参加アーティストの多くが原発や環境問題をテーマにしている。このAlexander Lee(タヒチ/米国)のシリーズも、フレンチポリネシアでの核実験を絵にしたもの。そうと知らずに見れば、ただの美しい抽象画にも見えるところがポイント。

The Hubには他にも様々な形態のアートが整然と展示されていて、心地よく鑑賞できるスペース。




森美術館館長の南條史雄さん、ニュージーランドAuckland Art Galleryの元キュレーター、Ms. Ngahiraka Masonのお二人のキュレーションによる今回の展示は、見て美しいだけでなく、考えるきっかけを与える作品が多い。

ホノルル・ビエンナーレ2017は5月8日まで開催中です。


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