カルメン・ティッセン美術館(Museo Carmen Thyssen Malaga)は、マラガで最も賑わうショッピング街、マルケス・デ・ラリオス通りの突き当り、コンスティトゥシオン広場からすぐのところにある。マドリッドのティッセン・ボルネミッサ美術館のいわば「スピンオフ」として2011年にオープンした。
一言でいうと、ティッセン・ボルネミッサ男爵の妻でミス・スペインだったカルメンが、夫の影響で始めたアートコレクションの成果(の一部)が、ここに収まっている。
収蔵品の中核は19世紀のスペイン絵画、特にマラガのあるアンダルシアがフォーカスされている。
19世紀後半のスペインの人々の生活や風土を精緻な筆致で描いた作品の数々が印象的。特に風景画は、美しさだけでなく、今とは異なっているはずの100年以上前の景色のリアルさが、その土地を旅しているような気持ちにさえさせる。
コンテンポラリーなロビー部分 |
北のビルバオがグッゲンハイム美術館一軒だけで大きく変革したのに対し、南のマラガは、ピカソ、ポンピドゥー、ロシア国立美術館、カルメン・ティッセンと、中世からコンテンポラリーまで様々なコレクションを提示することで、総合アート・デスティネーションを目指している。ポンピドゥーは5年間の期限付きだが、それを過ぎてもマラガが面白いアート都市として発展し続けることに期待!