週末にニューヨークに滞在するなら、チェルシー地区に行くのが楽しい。質の高いアートギャラリーが密集していて、多くは気軽に立ち寄れる。特に10thと11th Avenue の間の22丁目から24丁目がいい。
ギャラリーの多くは土日を含む週の後半だけ営業し、何らかの企画展示をしている。ミュージアムクオリティの展示も少なくない。週末はカップルや家族連れなどあらゆる年代の人がこの辺を歩き、気になるギャラリーに入ってはまた次のギャラリーに向かう。ギャラリストもこちらから質問しない限り放っておいてくれるので、自分のペースで見られる。
今回特に賑わっていたのは21丁目のGagosianでの村上隆の展示。広い展示スペースに、歌川広重の江戸百景の浮世絵を村上氏がコピーしたキャンバス121枚が並ぶ。テーマはアートの「バッククロシング」。二つの種の交配で生まれた後代に、最初の両親の片方を再度交配するということらしい。そう言われてすぐに消化できているわけではないのだが、本物との違いがわからないコピーとならんで、現代風にアレンジした作品も展示されている。
韓国系のTina Kim Galleryの展示も良かった。「The Making of Modern Korean Art」と題し、Lee Ufanなど、1960年から80年代の韓国現代美術を形作った4人のアーティストたちの間の書簡と、それぞれの作品が展示されていた。
Dia Beaconの姉妹施設であるDia Chelseaではイギリスの映画監督スティーヴ・マックイーンのビデオアートを上映していた。入口前に置かれた石はヨーゼフ・ボイスの作品(植樹プロジェクト)の一部。
チェルシー散策後は、23丁目からハイラインに上がって歩く。北に向かって数分でハドソン・ヤーズに到着する。
週末の気ままなお散歩に。