2017年4月24日月曜日

南インドのヨガ・リトリート Shreyas Retreat

インドのShreyas Retreatは、本格的なヨガを滞在に取り入れたリゾートとして知られる。バンガロール空港から車で1時間ちょっと。周りには店などもなく、ひっそりした入り口を入ると、大きな森のような敷地が広がる。


客室はわずか15室。テント型のコテージの他、プールサイドコテージもある。


チェックイン後には、まずドクターとのコンサルテーション。ヨガの経験、ライフスタイル、滞在に期待すること、改善したいことなどを伝えると、必要に応じてヨガやスパのプログラムや煎じ薬を用意してくれる。

一日の生活は規則正しい。朝は6時半から8時までのヨガで始まり、8時半からの朝食の後はメディテーション。午後は13時からランチ、16時から17時がヨガ、そして19時から夕食。合間にスパプログラムや、自由なことをして過ごすが、実際このスケジュールに合わせていると結構忙しいが、無駄なことは一切無い感じがする。

1日2回のヨガはハタヨガのグループレッスン。屋外のパビリオンで、焚かれたお香に包まれながら、鳥の声や葉擦れの音を聞きながらのヨガはすがすがしく、心が静まる。この他、上級者向けには別途アシュタンガヨガのクラスがある。

ゲストだけでなく、スタッフ向けのヨガクラスも一日数回あり、彼らにとってもヨガは生活の一部。客室数は15室、最大で30名程度のゲストに対し、85人ものスタッフが働き、皆、家族で敷地内に暮らしている。
オーガニック菜園

1日3回の食事はオールベジタリアン。食材のほとんどが敷地内のオーガニック菜園で調達され、新鮮な野菜を毎食味わえるのはとても贅沢な楽しみだった。さすがインド、様々なハーブやスパイスの味を感じるが、すごく辛い料理はなく、全体的にマイルド。日替わりでイタリアンやメキシカン料理も出される。食後はミント、ジンジャー、バジルなどのハーブティ。お酒は置いていない。


こういう食事を続けていたら、きっと体も浄化されるだろう。ここのスタッフは皆穏やかで、優しいことにも、ベジタリアンでオーガニックな食生活が影響しているのかもしれないと思う。
週に一度は料理教室もある

すぐ近くを鉄道が通り、夜中に汽笛の音が聞こえる。スタッフは「列車の音がうるさいかもしれません」と心配し、部屋に耳栓も置いてあったが、むしろ懐かしいような、心地よい響きだった。


2017年4月13日木曜日

ホノルルのアートスポット ③カカアコ

最近開発が急速に進むホノルルのカカアコ(Kaka'ako)地区は、アラモアナとダウンタウンの間にある。

1970年代後半からは工業地区に指定され、殺風景な場所だったが、近年は住宅も増え、お洒落なカフェも出来て、若い世代の人気が高まっていると聞く。

最近のカカアコの特徴は、何と言ってもストリート・アート。それは落描きというレベルをはるかに超えており、街の活性化に明らかに一役買っている。ストリート・アート見物に来ている人もちらほらいる。

街のありとあらゆる壁をキャンバスにして、様々なアーティストが自由に(でもかなり気合を入れて)作品を描いている。


バラエティにあふれているところもストリート・アートならでは。気分転換の散歩にお勧め。


ホノルルのアートスポット ②Spalding House

ホノルル美術館の分館、スポールディング・ハウス(Spalding House)は、ダウンタウンから北東へタクシーで20分程の、遠くにダイヤモンドヘッド臨む高台のロケーションにある。もとはホノルル美術館の創立者の邸宅だった建物で、その後、ホノルル現代美術館になり、2011年にホノルル美術館と統合して今の名前で呼ばれるようになった。

約3000点のコレクションを持ち、その多くが現代アート。館内での企画展示のほか、庭園には彫刻が点在する。

こんなところにこんなものが?と思わせるのは、離れにあるデヴィッド・ホックニーの舞台セット。常設で展示されている。1981年のエリック・サティら製作のメトロポリタン・オペラ「L'Enfant et les Sortilèges」のためにホックニーが作ったセットが再現されている。





また訪問時の企画展「HoMA Select」(2017年6月25日まで)は、コレクションの中から選りすぐりの作品を集めたもの。キービジュアルのゴーギャンの作品の他、近代とコンテンポラリーを中心に、ひとつひとつ丁寧に選ばれた印象を受けた。

観光客にはあまり知名度は高くないかもしれないが、行く価値があるスポット。同日なら一つの入場料でホノルル美術館と両方入場できるので、ホノルル滞在の一日をアート鑑賞に充ててみては。




2017年4月3日月曜日

ホノルルのアートスポット ①Doris Duke's Shangri-La

ホノルルにもいくつかの素晴らしいアートスポットがある。

中でも、ダイヤモンドヘッド近くの海辺にあるシャングリラ(Doris Duke's Shangri-la, Center for Islamic Art and Culture)は、誰もが素晴らしい場所だと絶賛する。

ここは幼くして巨万の富を相続したアメリカ人Doris Dukeが冬を過ごした邸宅。世界中を旅した彼女は、北アフリカ、中東、インドなどでイスラムアートに触れ、その美しさに心を奪われた。そして、シャングリラを壮麗なイスラム装飾の館にすることが彼女のライフワークになった。

ここを訪れるにはホノルル美術館発着のツアーを事前予約する必要があり、それも人気ですぐに一杯になってしまう。ホノルル美術館でチェックイン後、バスに乗って15分。到着するとガイドさんが出迎えて、ツアーが始まる。


一歩中に入ると、それは絢爛で見事な装飾にあふれた空間。皆が思わず感嘆の声を上げる。シャングリラのツアー中、写真撮影が許可されている場所は2か所程度に限られるが、そうでもしないと皆写真を撮るのに夢中になり、ツアーの進行に影響が出るに違いない。


潤沢すぎる資金を持つドリスのシャングリラ作りには妥協がなかった。気に入ったものを見つけたら、本物を持ってくるか、それを忠実な工法で再現した。いずれの場合でも、人手とお金のかけ方は並大抵ではなかったようだ。

ガイドさんが説明するそれぞれの部屋や作品にまつわるエピソードも興味深く、90分のツアーはあっという間。心地のいいハワイの気候の下、こんな空間で暮らすことは、これ以上ないほどの贅沢だと思う。

ここはドリスの遺産を守るだけでなく、アーティスト・イン・レジデンスも行っていて、イスラムの芸術と文化を扱う現代アーティストたちに制作と発表の場を与えている。

ホノルルの街とは別世界のシャングリラ。次のハワイ旅行は、まずシャングリラの予約をしてから計画することをお勧めしたい。


2017年3月25日土曜日

ホノルル アーティスト・ビジット③Solomon Enos

ホノルル・ビエンナーレ2017のオープニング・ウィークに訪問したアーティストの3人目は、Solomon Enos氏。チャイナタウンのスタジオに伺った。


彼は明るい人で、とにかく、しゃべるしゃべる。自分の作品を前に弾丸トークを繰り広げ、止まる様子がない。このときは、19世紀終わりからハワイが直面したアメリカ化をひとつのバトルに見立て、ハワイのジオラマとフィギュアで概念化した大作の一部を前に、熱く語っている。

沸き溢れる様々なアイディアをすべて形にするかのように、Solomonの作風は精巧なフィギュアから抽象画、人物画、子供向けのゲームまで、とても幅広い。自身も5人の子供を持つ父親である彼が作ったカードゲームは、環境保護をテーマにし、遊ぶ中で子供たちがお互いに助け合うことも学べるようになっているそうだ。


彼の尽きることがないパワーに、皆が感嘆した訪問だった。

彼の作品は、ホノルル美術館の前のThomas Squareを囲む塀の壁画でも見られる。



*ハワイのアーティスト・ビジットツアーはinfo(@)cognoscenti.jp までお問い合わせください。


ホノルル アーティスト・ビジット②Deborah Nehmad

ホノルル・ビエンナーレ2017のVIPツアーの一環で訪問したアーティスト二人目は、Deborah Nehmad氏。

彼女の経歴はアーティストとしてはちょっと異色かもしれない。ニューヨーク出身のDeborahは、政治専門の弁護士としてキャリアをスタートし、カーター政権時代はホワイトハウスで仕事をしたこともある。

しかしその後、事故に遭い、リハビリをする過程でアーティストに転向した。

彼女の自宅兼スタジオで拝見したのは「Wasted」というシリーズ作品。遠目には普通の美しい抽象画だが、実はここには、アメリカ社会の問題に対するメッセージが込められている。
赤いTシャツを着たのがDeborah氏
蝋を丹念に塗った大きな手すきの紙の上に赤と黒の点が描かれ、それぞれの点を糸でバツ印にステッチしてある。これらはランダムに描かれたものではなく、ある1年間にアメリカで銃で亡くなった子供と大人の数や、殺人事件の数を、正確に反映したものなのだ。ビジュアル化された数字は、ただデータを見るよりも深く心に迫ってくる。

他には、無実の罪で死刑判決を受け投獄され、その後釈放された人の一人ひとりのデータを、QRコードに込めた作品。スマホでQRコードを読み取ると、その人の名前と、投獄されていた年月が表示される。デジタルツールを使うことで、より幅広い層の興味を喚起しようとしているのだろう。

鉛筆で数十万の数字を順番に書いていったり、とにかく、彼女の作業は細かい。

社会に対するメッセージを伝えるためには、正確なデータに基づき、細かい作業にも妥協をしないDeborah。

彼女の言葉が印象的だった。
「世界を変えようと思って弁護士になったけれど、アートのほうが世界を変えられるとわかった。」


*ハワイのアーティストビジット・ツアーについてはinfo(@)cognoscenti.jpまでお問い合わせください。


2017年3月22日水曜日

ホノルル アーティスト・ビジット①寺岡 政美

ホノルル・ビエンナーレ2017のVIPツアーの一環で、ホノルル在住のアーティストのスタジオを訪問する機会を得た。

一人目は寺岡政美さん。国際的に活躍なさっている同氏については詳細は述べるまでもないが、尾道市出身で、20代でアメリカに移り、現在はオアフ島のワイナマロに住む。浮世絵をベースに、エイズや社会問題を扱った作品を数多く発表している。

訪問時にスタジオの壁にかかっていた大きな金の屏風絵のシリーズは、女性の人権を巡る戦いを描いたもの。最近、寺岡氏はロシアのプッシー・ライオットというフェミニスト・ロックグループを支援していて、彼女たちを題材にした演劇をプロデュースし、ホノルルのギャラリーで上演もしている。

そのプッシー・ライオットと言えば、アンチ・プーチンで、モスクワでゲリラ的に即興演奏を行って逮捕・拘留されたグループとして知られる。下の絵で、色付きの目出し帽を被ったプッシー・ライオットのメンバーらしき女性たちに見つかり、隅っこで気まずそうにしているのがプーチン。

派手で毒気を持った作風がまさに寺岡氏の持ち味だが、80歳を超えたご本人は、熱い思いを持ちながらもとても穏やかに話される。しかし作品からあふれるエネルギーには圧倒的なものがある。

同氏が暮らすワイナマロは、ワイキキからシーニックドライブを20分ほど走ったところにあり、少し内陸は静かな住宅街。ここであれらの作品が生まれているのはちょっとミスマッチな気がしてしまう。一般的に想像する「ハワイらしさ」と同氏の作品は、ある意味対極にあるかもしれない。それも含めて、興味深い訪問だった。


*ハワイのアーティスト・ビジット・ツアーについては、info(@)cognoscenti.jp までお問い合わせください。