2017年6月10日土曜日

上海の新アートスポット Fosun Foundation Art Center

行くたびに何かしら変化がある上海で、また一つアートスポットを見つけた。

外灘(バンド)にできたThe Bund Finance Center(BFC)というビジネス&リテールコンプレックスに2016年11月にオープンした「Fosun Foundation Art Center」。

建物はあのフォスター+パートナーズと、2012年ロンドンオリンピック聖火台などを手掛けたトーマス・ヘザーウィックによるデザイン。3層の不規則なレイヤーで覆われている。

1階部分はオープンなカフェになっていて、その上がアートスペース。2フロアを使い、イギリスのアーティスト、ジュリアン・オピーの個展を開催していた。


最初のフロアは、牧歌的な自然や動物たちがオピー独特のシンプルな線で描かれた空間。

スタティックな作品の他、風景画のようで、よく見ると羊たちが動いているような遊び心あるデジタル作品が並ぶ。

もう一フロアは、摩天楼とそこに暮らす人間たちが中心。

テラスに出て、この建物を覆う特徴的なレイヤーを内側から間近で見ると、竹をモチーフにしていることがわかる。

屋上には、宮島達男のカラフルなデジタル数字が埋め込まれた「カウンター・スカイ・ガーデン」があるそうだが、この日は残念ながら公開していなかった。

今後、レアンドロ・エルリッヒ(金沢21世紀美術館のプールが有名)や、三次元幾何学アートのフェリチェ・ヴァリーニのプロジェクトも予定されているとのこと。上海での楽しみが増えた。



2017年5月27日土曜日

FUTURE WORLD @ アートサイエンス・ミュージアム

シンガポールのマリーナベイ・サンズにあるArtScience Museum。ひときわ目を引くハスの花の形をした建物が、本物の蓮の池に囲まれている。外から見るとどんな構造になっているのか想像がつかないが、中に入ると意外と展示スペースは広い。

ここで見るべきは、2016年3月から常設展示されている、チームラボの「FUTURE WORLD  Where Art Meets Science」。

チームラボの作品は最近、東京の森美術館の「宇宙と芸術展」でも、ハワイのホノルル・ビエンナーレでも見る機会があったが、ここは広いスペースを「ネイチャー」、「タウン」、「パーク」、「スペース」の4コーナーに分けての集大成的な展示。

「ネイチャー」コーナーの最初の暗室に入ると、扉が閉められ、壁、床、天井全面を使って映像が投影される。映像は目まぐるしく回り、重力を忘れ、その空間を自分が飛び回っているような感覚になる。



例えは極めて古いが、昔の遊園地で「ビックリハウス」というアトラクションがあった。小さな家の中の椅子に座ると周りの壁が上下にぐるぐる回転し、自分が家の中で回っているような感覚になるという、今考えると笑っちゃうくらいアナログな仕掛けだが、子供にとっては楽しかった。それが進化を遂げた、21世紀のデジタル版だと思った。それも子供だけではなく、大人も楽しめる映像美があるところが、最大の進化。

続く「タウン」と「パーク」は、家族連れで楽しめるコーナー。自分で描いた絵をスキャナーにかけると大きなスクリーンに出てきたり(これはホノルル・ビエンナーレにもあった)、子供が自ら参加してアートとデジタルに興味を持てるようになっている。

カラフルで大きなボールは、いつも色を変えながら光っていて、床にあるボールを手で押して転がすと「ころころ」と声を出して歌う。それも日本語で!(これは、日本人としては是非試して頂きたい。)

そして最後のコーナー「スペース」の作品は「クリスタル・ユニヴァース」。タイトルの通り、光輝くクリスタルの空間を歩く、ファンタジックな体験。

大人も遊べるデジタルアート遊園地のような楽しい展示だった。

ナショナル・ギャラリー・シンガポール

2006年に最初のビエンナーレを開催して以来、シンガポールは金融やビジネスにおける位置づけと同様、アートにおいてもアジアでの存在感を高めようとしてきた。2012年には現代アートギャラリーの複合施設「ギルマン・バラックス」もできたり、それなりに話題も提供してきた。

そんな中で、シンガポールの近現代美術を俯瞰で見られる美術館ができたのは、自然な流れだったろう。

2015年11月にオープンした「ナショナル・ギャラリー・シンガポール」は、シンガポールと東南アジア美術のパブリックコレクションとしては最大の8000作品以上を保有する美術館。以前の最高裁と市庁舎の建物をつなげて内部をリノベートし、クラシカルさを残しつつ、明るい外光が天窓から吹き抜けに差し込む現代的なスペースに生まれ変わった。


館内はシティホールウィングとコートウィングとに分 かれ、複数の企画展が開催されているが、全て見る時間がなければ、まずメインのDBS Sinrapore Galleryへ。オープン時からの長期企画として、19世紀以降のシンガポール美術を展示している。400点近い作品が時系列で展示され、イギリス統治下のシンガポールで、アートが海外から受けた影響とともに、シンガポールの変遷を追う。


雨が降っていなければ、屋上のルーフガーデン・ギャラリーへ。2016年11月から、ベトナム生まれのデンマーク人アーティストDanh Vo (ヤン・ヴォー)のコミッションワークを展示している(8月まで)。


建物も内容も、シンガポールらしい良さが出ている美術館だと思う。


2017年5月5日金曜日

南インドのビーチリゾート Niraamaya Surya Samudra

インド最南端に近いトリヴァンドラム(最近の正式名称はティルヴァナンタプラム)には、ビーチリゾートと、アーユルヴェーダ・リトリートが数多くある。

Niraamaya Surya Samudraまでは空港から約30分。黒と黄色のトゥクトゥクがたくさん走る市街地を抜けていく。


リゾートは南国のジャングルを背景に、アラビア海に面した斜面に建つ。敷地内は緑にあふれ、南インドの自然を満喫できる。


石段を下りていくとプライベートビーチもあるが、波はかなり高めで、泳ぐのはちょっと無謀な感じ(誰も泳いでなかったし)。ビーチでただのんびり過ごすのが正解。ビーチには時々、牛もさらっと遊びに来るのが、さすがインドだと思う。

Niraamayaにはインドのベストスパに選ばれた大きなスパがある。ドクターが常駐し、本格的なアーユルヴェーダトリートメントが受けられる。


正統派の木のベッド。(硬いのが苦手な人は、希望すれば柔らかいマットを引いてくれる。)西洋式と違い、男性には男性が、女性には女性が施術をするのが決まり。

トリートメントが終わると、黄色い粉を額につけてくれた。


南インドは、忙しく観光するより、ゆっくりリチャージしに来るのに向いている。食事やマッサージやヨガで、とことん体にいい滞在をしようと思えば、そうできる。自分に合ったリトリートを見つけて、リピートするのも悪くないと思う。


2017年4月29日土曜日

南インドのアートホテル Purity

インド南部のケララ州のコチ(Kochi)空港から、南へ約1時間。ヴェンバナード湖のほとりにあるリゾート「Purity」に着く。

ヴェンバナード(Vembanad)湖はかなり大きく、日本人の感覚としては、浜名湖くらいの感じが近いかもしれない。漁で使うChinese fishing netが特徴的。

Purityは、インドで最初のアートホテルを作ったMalabar Escapesのグループホテル。アートコレクターでもあるドイツ人のオーナーが選んだアートが、14の客室やパブリックスペースに飾られている。




この近くにはアートギャラリーやお店もないので、ホテル内でアート鑑賞できるのはとても嬉しい。インドのローカルアーティストの作品が多い。

下の写真はAbul Kalam Azadの作品。フォトジャーナリストからアートフォトグラファーに転向した彼の作品は、ぱっと見では気づきにくいが、写真にペイントを施したもの。人物のリアルな質感と、ぼかされた背景が、独特のコントラストを生んでいる。
Azadは海外で活躍した後、南インドに戻り、現代写真芸術の振興と保全のための基金を設立し、若手の育成にも力を注いでいる。

ロビーに飾られているのはトリヴァンドラム在住のアーティスト、Pradeep Puthoorの作品。彼は元・広告会社のグラフィックデザイナー。鮮やかな色遣いのペインティングが多い。

他にも様々な作品を探しながら館内を歩くのも楽しい。


もちろん、南インドで忘れてはいけないスパも充実。自然とアートとトリートメントで、リラックスした休日を。

2017年4月24日月曜日

南インドのヨガ・リトリート Shreyas Retreat

インドのShreyas Retreatは、本格的なヨガを滞在に取り入れたリゾートとして知られる。バンガロール空港から車で1時間ちょっと。周りには店などもなく、ひっそりした入り口を入ると、大きな森のような敷地が広がる。


客室はわずか15室。テント型のコテージの他、プールサイドコテージもある。


チェックイン後には、まずドクターとのコンサルテーション。ヨガの経験、ライフスタイル、滞在に期待すること、改善したいことなどを伝えると、必要に応じてヨガやスパのプログラムや煎じ薬を用意してくれる。

一日の生活は規則正しい。朝は6時半から8時までのヨガで始まり、8時半からの朝食の後はメディテーション。午後は13時からランチ、16時から17時がヨガ、そして19時から夕食。合間にスパプログラムや、自由なことをして過ごすが、実際このスケジュールに合わせていると結構忙しいが、無駄なことは一切無い感じがする。

1日2回のヨガはハタヨガのグループレッスン。屋外のパビリオンで、焚かれたお香に包まれながら、鳥の声や葉擦れの音を聞きながらのヨガはすがすがしく、心が静まる。この他、上級者向けには別途アシュタンガヨガのクラスがある。

ゲストだけでなく、スタッフ向けのヨガクラスも一日数回あり、彼らにとってもヨガは生活の一部。客室数は15室、最大で30名程度のゲストに対し、85人ものスタッフが働き、皆、家族で敷地内に暮らしている。
オーガニック菜園

1日3回の食事はオールベジタリアン。食材のほとんどが敷地内のオーガニック菜園で調達され、新鮮な野菜を毎食味わえるのはとても贅沢な楽しみだった。さすがインド、様々なハーブやスパイスの味を感じるが、すごく辛い料理はなく、全体的にマイルド。日替わりでイタリアンやメキシカン料理も出される。食後はミント、ジンジャー、バジルなどのハーブティ。お酒は置いていない。


こういう食事を続けていたら、きっと体も浄化されるだろう。ここのスタッフは皆穏やかで、優しいことにも、ベジタリアンでオーガニックな食生活が影響しているのかもしれないと思う。
週に一度は料理教室もある

すぐ近くを鉄道が通り、夜中に汽笛の音が聞こえる。スタッフは「列車の音がうるさいかもしれません」と心配し、部屋に耳栓も置いてあったが、むしろ懐かしいような、心地よい響きだった。


2017年4月13日木曜日

ホノルルのアートスポット ③カカアコ

最近開発が急速に進むホノルルのカカアコ(Kaka'ako)地区は、アラモアナとダウンタウンの間にある。

1970年代後半からは工業地区に指定され、殺風景な場所だったが、近年は住宅も増え、お洒落なカフェも出来て、若い世代の人気が高まっていると聞く。

最近のカカアコの特徴は、何と言ってもストリート・アート。それは落描きというレベルをはるかに超えており、街の活性化に明らかに一役買っている。ストリート・アート見物に来ている人もちらほらいる。

街のありとあらゆる壁をキャンバスにして、様々なアーティストが自由に(でもかなり気合を入れて)作品を描いている。


バラエティにあふれているところもストリート・アートならでは。気分転換の散歩にお勧め。