2025年6月10日火曜日

川から見るバンコク

バンコクを二分するように流れるチャオプラヤー川は、タイを縦断する大きな河川で、交通や物流で重要な役割を担う。観光船も多く、夜になるとカラフルなライトに彩られた大型のディナークルーズ船が行き交う。

でも、ローカルなバンコクをじっくり見るならロングテールボートのツアーがいい。ロングテールボートとは、もともとは木製の漁船で、船尾に舵取りの長い棒がしっぽのように出ているのでそう呼ばれる。離島に行くとよく見かける。


バンコクではカラフルな屋根や飾りを付け、観光客を乗せて活躍している。


大型船が入れない支流に入れるのがロングテールボートの強み。低い位置から見上げながら、人々が暮らす地域を縫うように進む。住民はこういうボートに慣れていて、生活エリアへの船の侵入も特に気にしていない様子。民家にまぎれてお洒落なリバーサイドカフェやショップも並び、徒歩や車では見ることがなかった一つのカルチャーエリアがあると知る。どの建物にも船着き場があり、川が暮らしに密着していることもわかる。


船は途中のお寺に立ち寄った。巨大な金の仏像は修復中でも頭だけは出して慈悲深い表情を見せている。看板には日本語で「ワット・パクナム・パシチアローン 盤谷市」と書いてあった。バンコクって漢字でこう書くのか。日本人観光客が押し寄せていた時代に書かれたものだろう。今は日本人の海外旅行もだいぶ減ってしまったけれど(悲)。


境内のお堂には見事な壁画もあった。

船はやがて本流に戻り、大型船と並んで走る。上手に描かれた大きな象の壁画が目に留まった。

予想以上にあっという間だった2時間のクルーズ。見る位置を変えてみると新しい発見がある。