銀座駅のリニューアルで設置された吉岡徳仁の作品を見に行く。
B6出口近くの壁に輝く「光の結晶 Crystal of Light」という光の彫刻。太陽光が届かない地下の空間において、636個の六角形のクリスタルガラスで、ランダムな自然光を再現したものだそう。この写真ではわからないが、世界平和への祈りを込めて光で世界地図を表している。周りを見ると、吉岡氏の作品に合わせたかのように、駅のライティングも美しく変身していた。路線ごとに色分けされた照明が利用者たちを導く。今まで地下鉄の各路線の色は記号としか見ていなかったが、こういう色と光の空間を前にしたら、その時の気分で路線を選んでしまいそう(実際、無理だけど)。
こういう環境では、駅構内は素早く通り過ぎるもの、という習慣が崩れる。辺りを見回していたら、もう一つの作品に気づいた。
これまでの人生で何百回も前を通り、視界には入っていたはずのそのステンドグラスに初めて目を留め、近づいた。平山郁夫画伯の「楽園」という1994年の作品だった。すみません、今まで25年以上も気づかず。
吉岡氏の作品の光のお蔭で気づきが多かった銀座駅。これからは歩みを緩めて通ろう。