2017年3月16日木曜日

ホノルル・ビエンナーレ2017 見どころガイド④ビショップ・ミュージアムほか

ホノルル・ビエンナーレの会場を巡るだけて、ホノルルの色々な見どころをカバーできる。

ビショップ・ミュージアムは、ハワイの歴史と文化を展示したハワイ州最大の博物館。プラネタリウムも併設されている。
コンテンポラリー・アートとは無縁な雰囲気のこの博物館もホノルル・ビエンナーレの会場の一つ。庭園を入るとすぐにKaili Chun(ハワイ)の「Veritas II」がある。

更に奥にはCharlton Kupa'a Hee(ハワイ)の「Pohue: storied gourds (detail)」も。彼はフォスター・ボタニカル・ガーデンにも作品がある
ホノルル・ハレ(市庁舎)のホールの作品は、Choi Jeong Hwa(韓国)の「Gather Together」。ハワイに流れ着いたプラスチックの浮きを積み上げてタワーにしたもの。

チャイナタウンのThe Art at Mark's Garageは、その壁面が作品。Mohammed Kazem(UAE)の「Directions (Honolulu)」。GPSが示す数字や文字を並べている。


ホノルル美術館の正面には、Zhan Wang(中国)の「Artificial Rock No. 133」。IBMビルにもステンレス製の作品があるが、こちらは本物の岩とステンレスのレプリカが対になっている。
ハワイ・プリンスホテル・ワイキキのロビー天井には、Kaili Chun(ハワイ)の「Hulali I Ka La」。850匹の銅の魚たちが泳ぐ。ビエンナーレが終わっても展示しておけばいいと思えるくらい空間にマッチしていて、むしろこれがないロビーを想像するとひどく殺風景に思えてしまう。

そしてDoris Duke's Shangri-Laには、Eko Nugroho(インドネシア)の「Above the Wall Under the Rainbow, Free Air」がある。(ここを訪れるには事前にツアーの申し込みが必要。)絢爛なイスラム装飾を施したShangri-laでは明らかに異質なテイストではあるが、イスラムの国インドネシアのアーティストの作品をここに展示したのは、意図があってのこと。
ホノルル・ビエンナーレのすべての会場をじっくり廻るには3日間は欲しいが、その展示内容も会場も、時間をかける価値はある。ハワイをいつもと違う切り口から満喫できる。
是非お出かけを!

*詳しくはこちら http://www.cognoscenti.jp/art-jp/honolulubiennial2017jp.html
お問い合わせはメール info(@)cognoscenti.jp へ


ホノルル・ビエンナーレ2017 見どころガイド③フォスター・ボタニカル・ガーデン

ホノルルを何度か観光で訪れた人でも、植物園に行った人は多くはないかもしれない。
色々な名所を見に行くきっかけを作ってくれるのも、ホノルル・ビエンナーレのいいところの一つ。

フォスター・ボタニカル・ガーデンも、市内9か所の会場の一つ。「Vineyard Blvd.」という、ワイン好きにはちょっと気になる名前の通りにある(ワイナリーはないけど。)
大きな熱帯の木々に覆われたこの植物園には5つの作品が展示されていて、気持ちよく散策しながら作品を鑑賞できる。

Sean Connelly (ハワイ)の「Thatch Assembly with Rocks」。

Lynne Yamamotoの「Borrowed Time」は、もともとそこにあったみたいなので、作品だと気づかない人もいるのでは。

Charlton Kupa'a Hee(ハワイ)の「Pohue: Storied Gourds」は色付けしたひょうたんが大木の周りを飾る。

さらに奥には草間彌生の「Footprints of Life」。昨年、ビエンナーレのプレイベントでIBMビルに展示されていたのがここに引っ越し。なんだか奇妙な生き物が似合わない自然の中でのびのびしているようで、ちょっと笑ってしまう。

Andrew Binkley(ハワイ)の「Stone Cloud」も面白い。
浮いてる岩?岩みたいな雲?


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2017年3月15日水曜日

ホノルル・ビエンナーレ2017 見どころガイド②IBMビルディング

ホノルル・ビエンナーレ2017のメイン会場The Hubと同じWard Village内にあるIBMビルディングには、注目の「草間ルーム」を含む3つの作品が展示されている。

テラスにある二つの作品のうちの一つは、Choi Jeong Hwa (韓国)の「Breathing Flower」(The Hubの入り口のピンクの豚と同じアーティスト。)ピンクのロータスが空気で開いたり閉じたりを繰り返す。

もう一つは、Zhan Wang (中国)のスカルプチャー。クロームメッキされた岩のようで、実はステンレス製。中国の鑑賞用の石は「Scholar's Rock(学者の石)」と呼ばれるそうだが、Wangはこの石をステンレスで型を取り、磨き上げる。
彼のもう一つの作品は、ホノルル美術館の前に展示されている。

そして3階にある「I'm Here, but Nothing」は、ひと部屋丸ごと草間彌生ワールド。普通のアパートメントの一室が、カラフルなドットに溢れたファンタジックな世界に。

ベッドカバーがハワイバージョンになっている点にも注目!

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2017年3月13日月曜日

ホノルル・ビエンナーレ2017 見どころガイド①The Hub

3月8日に開幕したホノルル・ビエンナーレ2017。2か月間にわたって開催されるハワイ初のこの国際ビエンナーレには33組のアーティストが参加し、ホノルルの街をコンテンポラリー・アートで飾っている。

市内9か所の会場のうち、アラモアナ・ショッピングセンター隣にあるWard Villageの「The Hub」がメインの展示スペース。正面の絵はEko Nugroho(インドネシア)の作品。彼の作品は建物の中とShangri-laでも展示されている。

入り口ではChoi Jeong Hwa(韓国)のピンクの豚がお出迎え。昨年の六本木アートナイトの際は六本木ヒルズにいた。

The Hubで人気を集めている作品のひとつはチームラボ(日本)の参加型アート「Graffiti Nature」。部屋の床一面を蝶、花、クジラなど様々な生き物が泳ぎまわり、大きな生物が小さな生物を吞み込んでいく様は、食物連鎖を表現している。
画用紙とペンが用意されていて、子供たちが(もちろん大人も)好きな生き物を描き、それをスキャナーで取り込むと、描いた生き物が画面上に泳ぎだす。

Ken & Julia Yonetani(日本/オーストラリア)の「Crystal Palace」シリーズも注目。
部屋に入ると4つのシャンデリアが緑の蛍光色を放ち、その美しさに皆、「おお」となる。実はこの光はウランガラスによるもの。一つのシャンデリアは一つの国・地域を表し、それぞれの原子力発電量に応じて大きさが決まる。ビエンナーレでは米国、中国、日本、台湾(大きさ順)の4つが展示されている。3.11の原発事故で日本の原子力発電所の稼働が減少した後に制作された。

今回の参加アーティストの多くが原発や環境問題をテーマにしている。このAlexander Lee(タヒチ/米国)のシリーズも、フレンチポリネシアでの核実験を絵にしたもの。そうと知らずに見れば、ただの美しい抽象画にも見えるところがポイント。

The Hubには他にも様々な形態のアートが整然と展示されていて、心地よく鑑賞できるスペース。




森美術館館長の南條史雄さん、ニュージーランドAuckland Art Galleryの元キュレーター、Ms. Ngahiraka Masonのお二人のキュレーションによる今回の展示は、見て美しいだけでなく、考えるきっかけを与える作品が多い。

ホノルル・ビエンナーレ2017は5月8日まで開催中です。


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2017年3月9日木曜日

ホノルル・ビエンナーレ2017 開幕!

いよいよ「ホノルル・ビエンナーレ2017」が3月8日に開幕。


ハワイとコンテンポラリー・アートという、これまでありそうでなかった組み合わせ。今年が初の開催となるビエンナーレには、ハワイ、北米、アジアパシフィックから33組のアーティストが参加。エディトリアル・キュレーターは森美術館館長の南條史生さん。作品はここを含めホノルル市内の数か所の会場で展示されている。

一般公開の前日は、関係者のみのVIPプレビュー。ビエンナーレのメイン会場はWard Villageの「The Hub」と呼ばれる建物で、以前はスポーツ用品店が入っていた大きなスペースを、ビエンナーレに合わせてリノベートした展示スペース。ということで、このイベントがこけら落としとなるので、プレビューはハワイ式の清めの儀式から始まった。チャントが高らかに詠まれた後に、ドアが開き、建物の中に入った参加者の頭上に清めの水滴がまかれる。


The Hubの広く新しい空間は、まさにこのビエンナーレの作品を待っていた感じ。インスタレーションからビデオアートまで、様々なルーツを持つアーティストたちの様々な作品が、それぞれ適切な場所に美しく展示されている(展示作業は前日の深夜まで及んだとのこと。)





プレビューの後のVIPパーティは、別会場のIBMビルディングで行われた(もうIBMは入っていないのにこう呼ばれている)。ホノルル市長の壇上の挨拶からは、市を挙げてこのイベントを歓迎していることが感じられた。


3Fに展示された草間彌生ルームでは、水玉の光の空間をさまよえる。

見どころ満載なビエンナーレのレポートは、更に続きます。






2017年2月6日月曜日

ガラスの森 朝と夜?

銀座通りのほぼ両端で開催されている、ガラスと光をテーマにした二つのアート展が、朝と夜の対比のようでもあるのが面白い。



一つは、資生堂ギャラリーで開催中の「吉岡徳仁 スペクトル」展。平日でも朝11時のオープンとともに人が次々に入る人気の高さ。

ギャラリー内には霧が薄くかかり、奥にはガラスのプリズムが壁面にダイヤモンドのように並んでいる。そのプリズムに反射した光が、虹色の模様をフロア中に映し出している。

ガラスのベンチが二つ置かれただけのフロアで、朝もやに煙る、柔らかい日の光が差し始めたガラスの森のような空間を体験する。




資生堂ギャラリーを出て、そのまま京橋方面にまっすぐ歩いていくと、ポーラ ミュージアム アネックスがある。「あなたに続く森 青木美歌 展」を開催中。

こちらは、菌類や細胞をモチーフにしたガラスのオブジェと、その中にとどまる光が鑑賞の対象。




こちらは対照的に、月明りに照らされたガラスの森のようだと思った。


2017年2月5日日曜日

「クインテットⅢ 五つ星の作家たち」展

新宿の損保ジャパン日本興亜美術館(長い!)で開催中の「クインテットⅢ 五つ星の作家たち」展を見た。

40代の女性アーティスト5人の新作・近作を集めた合同展。「自然」をテーマに、描き方も作風もそれぞれだが、統一感ある秩序と、色彩の美しさが印象的な展示。

蜜蝋を使って赤を描き続ける川城夏未氏。作品が並んだ様はどことなくロスコっぽいが、近づいてみると様々なストーリーが描かれている。川城氏は赤にこだわっているのかと思ったら、こだわっているのは蜜蝋のほうで、相性が最も良かったのが赤だったということらしい。



江戸川の濁った水も、こんな素敵な色に変身!橋本トモコ氏の作品。こういう江戸川なら眺めていたいと思う。



木村佳代子氏の絵は一見、メイプルソープを連想させるが、落ち着いたトーンの背景に華やかに浮かび上がる花にはリアルな質感とファンタジーがあり、女性らしい「花の肖像画」だと思った。


あと二人は、パレスホテル東京にも作品がある横溝美由紀氏と、森に住みその木々を描いた堀由樹子氏。心地よい展示だった。