2013年5月12日日曜日

印象派たちの光と色~エクス・アン・プロヴァンス ①セザンヌめぐり

エクス・アン・プロヴァンスに滞在中。

今回は、フランスツアー企画コンテストで入賞した旅の企画を賞品として提供して頂き、自分で実際に廻ってみるミッション。印象派がテーマなので、印象派が誕生した北のノルマンディーから始める予定だったけれど、列車の運休の関係で南のプロヴァンスからスタートすることに。

マルセイユ空港からバスで30分のエクス・アン・プロヴァンスは、ポスト印象派の巨匠ポール・セザンヌが生まれ、生涯のほとんどを過ごした街。

到着してまず目に入るのは、とにかく青い空!日没の夜9時頃まで雲ひとつない快晴が続いた。この気候には、プロヴァンス地方特有のミストラルと呼ばれる乾燥した風が影響しているらしい。確かに日中も風は強く、空気はからっとしている。 

エクスの中心街は歩いて廻れる大きさで、そこにはセザンヌゆかりの地がたくさん残っている。あちこちにある「セザンヌの風景」という看板もそのルートを示している。セザンヌの生家や家族が暮らした家、洗礼を受けた教会、通った学校などなど30以上。それらは大きく表示があるわけではなく、家には別の人が住んでいたり店になっていたりするので、注意深く見ていないとわからないかもしれない。父の帽子屋も今は銀行になっているが、壁面に描かれた看板が当時の面影を残している。

比較的目立つゆかりの地のひとつは、サン=ジャン・ド・マルタ教会(母の葬儀が行われた)。中に入ると美しい大きなステンドグラスが目に入る。ときどき、カメラのレンズを通したり、サングラスをかけたりすることで、肉眼では見えなかった光が見えることがあるが、ここでもそうで、シャッターを切る瞬間、ガラスを通った光の紫の反射が広がっているのが見え、その美しさにはっとした。

そのすぐ隣にあるのがグラネ美術館。ここはセザンヌが通ったデッサン教室が開かれた場所。今はセザンヌの10作品を展示している。中でも「水浴の女たち」はエクスのアトリエで描かれたものだが、そこに描かれた空の色は、エクスの青すぎるほどの空と比べ、とても柔らかいことに意外な印象を受けた。
 
セザンヌめぐりで外せないのは、街の中心から北に15分ほど歩いたところにあるセザンヌのアトリエ。最もセザンヌらしさを感じられる場所かもしれない。木々に囲まれた家の二階にあるアトリエは、画家が当時使っていた様子をそのまま保存・再現している。実際に入ってみて、セザンヌの絵の中の空がなぜあんなに柔らかかったか、わかった気がした。セザンヌが自身で設計したアトリエの大きなこだわりは、壁一面の大きな窓と、木の板張りの床。木々の間をから差し込む光が、現代のものより厚いガラスを通り、さらに木の床で吸収されながら反射して、とても優しい光になったに違いない。

街中のセザンヌポイントを押さえたら、次はセザンヌが80枚以上描いたサント・ヴィクトワール山へ。