2013年5月16日木曜日

印象派たちの光と色~エトルタの白い断崖


ノルマンディーの海岸に到着!

朝、ルーアンから列車で1時間弱のル・アーヴルに移動し、そこからバスで約1時間でエトルタにやってきた。

車窓から、一面黄色の花畑があちこちにあるのが目についたので、よく見てみると菜の花だった。プロヴァンスでも同じ風景をを見たので、この時期はフランスで全国的に咲いているのかもしれない。菜種油を採るために栽培されているそうだ。

白くそびえ立つ断崖が特徴的なエトルタは、ウジェーヌ・ブーダンやクロード・モネなどの芸術家たちを魅了した場所として知られる。 

アモン断崖側のパネル

海岸沿いの2か所にモネの絵のパネルがあり、彼が描いた実際の風景と見比べられる。高さ100メートル以上の崖は、海に向かって右がアモン断崖、左がアヴァル断崖と呼ばれ、モネはどちらも描いている。
 
波が荒く遊泳向きではないエトルタの海は、曇り空の下ではグレーだが、日が差すと乳白色が混ざった半透明のエメラルドグリーンのような色になる。柔らかく、優しい色。

アモン断崖もアヴァル断崖も、それぞれ遊歩道が設けられ、崖の上を歩くことができる。私はアーチ型のアヴァル断崖のほうへ。

歩いているうちに空がすっかり晴れ、強い日差しが降り注ぐと、白い岸壁は光を反射して一層白く輝き、その眩しさと、海とのコントラストの美しさは、思わず足を止めずにはいられない。
 
アヴァル断崖側を選んだのは、ここに来る前に丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「クラーク・コレクション」展で見た、モネの「エトルタの断崖」の風景がこっちにあると確信したから。そして、まさにその風景を発見!
ここにパネルはないけれど、高さや距離からみても、モネはここで描いていたに違いない。

短い時間の間に、晴れたり曇ったり、にわか雨がパラついたり、変わりやすいエトルタの天気。そのたびに白い断崖と海は違う色を見せてくれた。画家たちにとっては気まぐれなモデルのような存在だったのだろうか、などと想像する。

エトルタでは今、桜も満開だった。東京より1カ月半ほど遅い春が訪れている。