2015年11月17日火曜日

キューバ・アートの旅 1. ハバナの街並み

キューバを訪れた。
アメリカとの国交回復で注目度は高まるが、未知の国。

ハバナの空港に着くと、ドコモの携帯に「海外パケ・ホーダイ対象国ではありません」という、あまり見たことがないメッセージが届き、軽く緊張する。

それもそのはず、キューバにはまだモバイルインターネットがなく、固定インターネットも普通の家庭にはない。皆、外のWifiスポットやインターネットセンターに接続に行くのだ。外国人向けの5つ星ホテルでも部屋で無料Wifiが利用できるところはごく一部で、大抵はパスワードが書かれた1時間のカードを買ってロビーなどで利用する。不便ではあるが、中国のように3Gの電波はバンバン飛んでるのにGoogleやFacebookに接続できないところよりは、ずっとわかりやすい。

今回旅の主な目的は、最先端のキューバの現代アートに触れること。でもまずはメジャーな観光スポットを廻る。

ハバナでは11月から4月頃までが乾季で、11月も中旬になった今は冬の始め。でも真夏のような日差しに照らされ、すぐそこに真っ青な海があるハバナの街はとても明るい。

旧市街ではヨーロッパの街並みに、カリブのカラフルなテイストが加わり、あちこちで生の音楽が聞こえる。

ヘミングウェイが通ったバーなど、ゆかりの地も大人気。

ハバナの街並みにはキューバの歴史が表れている。スペイン植民地時代から残る建物が多く、改装されてレストランやミュージアムとして利用されているものがある一方で、革命やソビエト崩壊など激動の時代を経て、修繕されずボロボロの状態のものも多い。また、革命の後は建築家が個性を出すことは許されなくなり、多くの建築家が国を出た。そのため60年代、70年代の建築はエンジニアがデザインしたそうで、旧市街の外では非常に無機質な住宅やビルも目にする。

しかし政府の建物にこんな壁画があるのは、この国だけかもしれない。おまけにこのチェ・ゲバラは夜になるとライトアップされる。




そんな街をアメリカのクラシックカーが行き来する。


どこにいるのか、今がいつなのか、ちょっとわからなくなりそうになる。

旧市街の見どころのひとつは、コロニアル・アート・ミュージアムと、そこから見るカテドラル広場の眺め。18世紀のハバナ総督の邸宅を博物館にしたもので、中庭やステンドグラスがある典型的な当時のハバナの住宅の造りが分かる。2階は主人の、1階は使用人の住居スペース。




Center for Experimental Graphic Artsでは、若手アーティストたちが版画を制作、販売。

Wilfred Lam Center for Contemporary Artは、20世紀のキューバのアーティストで最も有名なウィルフレド・ラム(フランスに移住)と、フランス人アーティストAndré Massonのデュオ展を開催中だった。

Plaza Vieja(ヴィエハ広場)にもアートスポットが集まる。写真美術館のFototeca Cubaでは、世界的に有名な写真家Steve McCurryの個展をやっていた。向かいのCenter for Development of Visual Artsは残念ながら次の展示の準備中。その隣の建物では段ボールのガンダム?がお出迎え。


キューバ・アートの旅は、いよいよこれから。