2015年11月17日火曜日

キューバ・アートの旅 6. 現代アーティスト・ファイル Reynero Tamayo

ハバナの現代アーティスト4人目は、Reynero Tamayo (レイネロ・タマヨ)氏。

アメリカにも5年間住んだことがあるタマヨ氏は、キューバとアメリカの関係をテーマに描くことが多い。写真のタマヨ氏の後ろの壁にかかった作品は「Message in a Bottle」。キューバの象徴的なモチーフを散りばめた画面に、コカ・コーラの瓶が流れてくる。
彼に限らずキューバのアーティストは、コカ・コーラの瓶をアメリカの象徴として使うことが多い。

タマヨ氏の作品はいずれも、ユーモアに溢れていると同時に、見る者に考えさせる要素がある。

様々な作風の作品を、一度に数点、同時並行で制作することが多いそうだ。

日本もよくモチーフにする。黒澤明監督の「七人の侍」に感銘を受け、日本人は違う星の人たちだと思ったそうだ。現代ではなく、サムライの時代の日本が彼の中にある日本。

浮世絵の影響を受けたゴッホへのオマージュがこの床の上の作品。ひまわりでハラキリをするゴッホ。
最近の日本でハラキリをする人は滅多にいないんだけど…。遠いカリブの異国での日本のイメージは、未だに異星人並みのミステリアスさを残しているらしい。

面白い作品ばかりだった。アメリカとの国交回復でどんどん変わっていくであろうキューバで、タマヨ氏は何を描くのか、 ますます目が離せない。